おもへば一夜

文学

 門松や おもへば一夜 三十年

 松尾芭蕉の句です。

芭蕉全句集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
雲英 末雄,佐藤 勝明
角川学芸出版

 お正月を迎えて、来し方を振り返ってみれば、一夜の夢のごとくであった、というほどの意かと思います。
 この時、松尾芭蕉は30代前半。
 ようよう、俳諧師として身を立てることになった時期で、青年らしい気概と、過去を一夜の夢に例えるような老成した感じの、双方が感じられます。

 私は今年48歳になりますので、おもへば一夜五十年といったところでしょうか。
 何者でもない私ですが、半世紀ちかくを生きてしまいました。

 ここまで生きてきちゃったという感慨と、人生うまくいかないものだという思いが交錯します。

 しかし今は、人生80年の時代。
 まだまだ人生は続くのでしょう。

 どんな辛いことがあっても、死なないかぎり人生は続きます。

 これからは衰えていくばかりでしょうが、平穏な後半生であることを願うばかりです。


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