させていただく?

社会・政治

 近頃、鳩山総理をはじめとする民主党議員の過剰な敬語が耳障りに感じます。
 昨日のテレビニュースで、昔水着姿で日銭を稼いでいた蓮なんちゃらとかいう議員が、役人に質問するために某省を訪れることを、「お会いをさせていただく」と言っていて、最初意味がわかりませんでした。
 だいたい己の行為すべてに「させていただく」という表現を使うのは、いかにも奇妙です。その伝でいくと、飯を食うことを「ご飯を食べさせていただく」、糞をひることを「大便を用たしさせていただく」などとほざくのでしょうか。
 前の総理は漢字の読み間違いで話題に上っていましたが、文法的にはおかしくありませんでした。小沢一郎などは、むしろ自民党議員の話し方に近いですね。また、悪人面した総理の弟も、それほど奇妙な敬語表現は使いません。
 してみると、さきがけや日本新党出身者に特有の奇病なのでしょうか。

 ひるがえって、わが国民にも、奇妙な言い回しが伝染病のごとく蔓延しています。
 ファミリーレストランなどで注文の確認をする際、「~でよろしかったでしょうか」とか聞かれます。これから運ばれてくる料理に過去形で確認するのは、けつがむずむずするような違和感を覚えます。当然「~でよろしいでしょうか」と言うべきですね。
 それと、金銭の授受に際して、「千円からお預かりします」とか言いますね。
 「から」とは何にかかっているのでしょう。千円からはじめてもっとよこせ、と言ってるような、丁半博打のような、奇妙さです。
 やがては「ら抜き言葉」のように、それが当たり前になっていくのでしょうね。
 言葉は生き物、とは言うものの、言語芸術を信奉する者としては、腹立たしいような、さびしいような。
 私はこの世では、すっかり古い生き物のようです。