なでしこ

文学

 今日は24節季の一つ、処暑だそうで。

 陽気とどまりて、初めて退きやまむとすれば也、と暦便覧では説明しています。

 要するに夏の暑さは峠を越えて、涼しくなる頃ということですが、なかなか実際にはそうもいかず、今日も猛暑が続いています。

 向日葵に替わって、撫子の花が咲き始める頃でもあります。
 撫子というと、その可憐な姿から、日本女性を象徴する花。
 近頃では、なでしこJAPANですっかり有名になりました。

 高浜虚子に、

 撫子や 堤ともなく 草の原

 という句があります。

 西行法師は、

 かき分けて 折れば露こそ こぼれけれ 淺茅にまじる 撫子の花

 と詠んでいます。

 いずれにしろ、暑さが残るなかにも秋の気配が感じられる詠調ですね。
 か弱いながらも凛々しさを帯びた日本女性の理想を撫子にみたのもなんとなく理解できます。

 でも実際のところ、そういう女性にお目にかかったことはありませんねぇ。
 理想は理想、現実とは異なっているということでしょうか。
 

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