不幸中の幸いというのはあるものですねぇ。
33歳から15年間自室に引きこもっていた48歳の男性が、津波警報に接して母親から避難するよう促されても、「億劫だから」という理由で避難を拒否。
母親一人が逃げた後、自室にいたところ津波が押し寄せて家屋が倒壊。
柱につかまったり屋根に登ったりしてどうにか生き延び、無事避難所にたどり着いたとか。
津波をまともにくらって避難しようともしないというのも大した根性ですが、生き残ってしまうというのはそれ以上の運の持ち主。
15年ぶりに出かけた外出先が震災直後の避難所だったとは、泣くに泣けない話です。
大勢の被災者と会話を交わしたり、少ない物資を分けあったり、彼にとっては対人ストレスによる精神的苦痛は甚大でしょうね。
しかし戦争や大災害が起こると、神経症などの軽微な精神障害が激減すると聞きました。
生きるのに必死でそれどころじゃなくなっちゃうんでしょうねぇ。
被災者のなかには身体障害、精神障害、知的障害の人も大勢いたでしょう。
当然、ひきこもりの人もいたでしょう。
ただでさえ生きていくのが困難な彼ら。
自分に置き換えて考えると、精神病薬が手に入らなくなるのが非常に怖いですね。
精神病薬の服用で、どうにか日常生活を維持できている状況ですから。
自室から避難所へと居場所を変えた彼には、火事場の馬鹿力を発揮して、震災を乗り越えるだけでなく、ひきこもりをも克服されるよう望みます。