今日職場の喫煙室でたばこを吸っていて、奇妙な現象がありました。
喫煙室の扉はガラス張りなのですが、私がたばこを吸い始めると、青いつなぎを着た清掃業者らしき初老の女性が、一生懸命扉のガラスをふいているのです。
見たことのない清掃業者だな、新人さんかな、と思ってその熱心な仕事ぶりを眺めていると、ふいに、消えてしまいました。
ああ、またか、と思いました。
私は過去に何度も同じような現象に出くわしています。
共通する特徴は、
①そこに生身の人間が生きて活動しているようにしか見えないこと、
②突然消えてしまうこと、
③無表情であること、
④私に対し、何の悪意も善意も持っていないらしいこと、
⑤私に対して何らかのアクションを起こすことがないこと、
と、いったところでしょうか。
悪夢や金縛りなど、睡眠にまつわる恐怖体験は高校生くらいから、疲労している時などによくありました。
しかしそれは、覚めてしまえば、ああ夢か、で終わってしまう他愛のないもの。
当初うつ病と診断され、後に躁うつ病と診断が変わるわけですが、ちょうど診断が変わる頃、初めて今日のようなことがありました。
その時は白髪の紳士が私の車の運転席に座っており、私が鍵をかけ忘れて呆けた老人が乗り込んだものと思いこみ、叱ってやるつもりで車のドアに手をかけたら消えてしまいました。
その時も、生身の人間としか思えない、強いリアリティを感じました。
医師に相談したところ、医師は微笑んで明確な答えを出しませんでしたし、幻覚を見なくする薬というのも出しませんでした。
悪夢に苦しんでいるときは出してくれたんでけどねぇ。
精神科医なら当然幻覚だと説明するだろうと思っていたので、拍子抜けしました。
こういう現象に対しては、精神科医にしては珍しく、ニュートラルな態度を取ることにしているようです。
私に時折おこるこれらの現象が何なのかはわかりません。
幽霊にしては全然怖くないし、私に何かを訴える風でもなく、ただ何となくそこに存在しているホームレスのようです。
では幻覚かというと、幻覚にしてはずいぶん地味なような気がするのですよねぇ。
幻覚というともっとこう、極彩色で、ロックかなんかが激しく流れていて、というイメージなんですが、全然違います。
結局私は、これらの現象を、主治医と同じ姿勢でやり過ごすことにしています。
わからないことは、微笑んで答えない、追求もしない。
別段私に害があるわけでもなく、しょっちゅう起こるわけでもないので、放っておくしかありますまい。
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