先般、米国カリフォルニアで22歳の男が銃を乱射して6人を殺害せしめ、その後自殺するという事件がありました。
わが国でも秋葉原の無差別殺人や、古くは「八つ墓村」のモデルとなった事件など、いつの世にも魔術的な思考にとらわれて無差別殺人を実行する不逞の輩が現れます。
これは人類の、一種のバグみたいなもののようで、なかなか根絶は難しいようです。
で、カリフォルニアの事件、動機がなんとも情けないものです。
すなわち、女性に相手にされなかったから。
犯人は中国人と英国人のハーフで、アジア系っぽい外見のせいでブロンド女に相手にされないのだと固く信じていたところ、完全なアジア系の男がブロンド美人と親しげに話しているのを見て怒りを爆発させ、凶行に及んだんだとか。
被害者には申し訳ありませんが、笑っちゃうほど馬鹿げた理由です。
不幸な生い立ちゆえに愛を求めたのでは、という同情的な声も聞かれるそうですが、不幸な生い立ちだからと言って犯罪を犯していたのでは、世の中犯罪者であふれてしまうでしょうに。
若い男が女性を求め、うなくいかなくてうじうじと悩むというのはよくあることで、人生の通過儀礼と言っても良いくらいで、おじさんから見るとむしろ微笑ましいくらいですが、ことが無差別大量殺人となると穏やかではありません。
近頃は草食系だとか絶食系だとか、積極的に女性にアプローチすることができない、もしくはしない若い男が増えていると言われますが、私はそうではないと思います。
昔からそういう男はたくさんいたに違いなく、ただし、昔は世話焼きおばさんというのがいたり、お見合いというシステムが機能していたため、年頃になればなんとなく異性とくっついていたのだと想像します。
むしろ恋愛などというのは破廉恥な男女のすることとされていました。
今、誰もが恋愛を経験するものだという誤った認識が世間を覆い、ためにもともと恋愛に向かない男女が無用なコンプレックスに悩むという不幸な事態に立ち至っていると言うべきでしょう。
それなら話は簡単で、お見合いもしくはそれに代わるようなシステムを構築することです。
それと、若い男女は高望みせず、手近なところで手を打つという諦めも肝要でしょう。