わらの犬

映画

 今朝はなんだか調子が悪く、朝10時過ぎまで寝てしまいました。
 起き上がって熱を測ったら微熱があり、くしゃみがとまりません。
 市販の風邪薬を飲んで大人しくしていましたが、相変わらず微熱があります。
 体力が落ちているようです。

 午後はDVDを鑑賞しました。
 1971年製作の古い映画です。

 サム・ペキンパー監督、ダスティン・ホフマン主演の「わらの犬」という作品で、暴力を描いた幻の名作と言われていたものですが、最近DVDが発売され、レンタルできるようになりましたが、何百人もが予約しており、半年以上待たされました。


 
 米国人の数学者、デヴィットは、静かに研究に没頭したいと、妻の地元である英国の片田舎に引っ越してきます。


 しかし、片田舎というのはいずこも同じようで、よそ者だということで嫌がらせを受けます。
 車庫を作っている職人たちに小ばかにされ、飼い猫を殺されたり。

 妻は文句を言うように発破をかけますが、インテリで優男のデヴィッドは何も言えません。


 さらにデヴィッドの留守中、妻は職人たちに犯されてしまうのですが、このシーンは並みのアダルト・ビデオよりもエロかったですねぇ。

 妻は抵抗するのですが、なんとなく中途半端で、最後は自らレイプ犯に抱きつく始末。
 女優の演技も真に迫っていました。
 なんとなく好き者風の奥様で、優男の夫に不満があったのかな、と思わせます。

 ある晩、知的障害がある大男が、少女に誘惑されて納屋で楽しいことをしていると、少女の兄とその仲間が少女を探しにきます。

 少女が出て行くと自分が誘拐したことにされ、殴られると思った大男は少女の口をふさいで引っ張り上げるのですが、少女は呆気なく窒息死してしまいます。

 大男はその場を逃げ出しますが、霧の深い夜だったため、デヴィッドが運転する車にひかれてしまいます。
 デヴィッドは大男を家に運びます。
 幸い軽傷ですが、田舎のこととて医者も弁護士も捕まりません。
 仕方なく村で一軒しかない酒場に電話をかけるのですが、酒場では少女の父親が飲んでいたのです。

 父親は仲間を引き連れ、5人でデヴィッド宅を訪れ、大男を引き渡すよう要求するのですが、デヴィットは大男が殴り殺されてしまうと考え、引渡しを拒否。
 すると5人の男たちは窓を割ったりドアにショットガンを撃ち込んだりのやりたい放題。

 暴力を断固否定してきたデヴィッドですが、大男と妻を守るため、そして何よりおのれのプライドを守るため、信じられないほどの暴力で5人の男たちを迎え撃つのです。

 まるで人が変わったように残酷な表情を浮かべ、知恵を凝らして男たちを血祭りに上げていくその姿は、浅ましいと言おうか、何のためにそこまでするのか疑問を抱くほどで、言葉では言い表せない迫力です。

 その後似たような映画がいくつも製作され、「わらの犬」症候群とまで言われたそうです。

 一見の価値ありです。

 ちなみにわらの犬とは、中国のことわざで、天からみれば人間なんて祭祀で使うわらの犬のようなものだ、ということのようです。

 意味深長ですねぇ。

 久方ぶりの強烈な映像体験でした。

わらの犬 [DVD]
サム・ペキンパー,ゴードン・M・ウィリアムズ,デヴィッド・Z・グッドマン
角川映画

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