アフリカの狂犬、カダフィ大佐

社会・政治

 カダフィ大佐が40年以上にわたって独裁を続けるリビアでも、民主化を要求するデモが拡大しているそうですね。
 治安部隊はデモ隊に銃を向け、一説には死者が200人以上とも。
 エジプトに比べ、はるかに強い独裁国家ですから、内戦に発展する可能性も否定できません。

 カダフィ大佐といえば、アフリカの狂犬とも呼ばれる過激な汎イスラム主義で知られ、国連での演説では15分の持ち時間なのに90分もしゃべり続け、しかもその内容は欧米を攻撃するものばかり。
 ケネディを暗殺したのはイスラエルだとか、タリバンはヴァチカンほど危険ではないとか、新型インフルエンザは米国による細菌テロだとか、中学生の妄想か、と突っ込みを入れたくなります。

 日本については悪魔=米国に資金を提供し続けるだけの腰ぬけと評し、原爆を落とされた怨みを忘れず米国と対峙せよ、と迫るなど、その言動はもはやコメディー級。
 ニュー・ヨークでの宿は伝統の遊牧民が使うテントだとか。

 そんな過激で素敵なコメディアンですが、意外と現実的だったりします。
 イランや北朝鮮と違い、核開発の放棄を宣言し、査察に応じたり、9.11テロではアラブの指導者としては珍しく素早くテロリストを非難する声明を出したりして米国のご機嫌をとり、テロ支援国家解除どころか、2006年には米国と国交正常化して世界を驚かせました。

 そういう複雑な顔を持つ68歳のカダフィ大佐。
 政権を奪ったときはまだ20代後半だったのですね。
 40年以上も世界の火薬庫と言われる中東で最も過激なパフォーマンスを繰り広げながら、最近米国と手打ちし、米国大統領に黒人の血が混じっているからか、アフリカ出身の大統領とか、わが息子とか呼んでいて、気持ち悪かったですね。

 今、リビア国民が自由と民主主義を求める行動を起こしているわけですが、カダフィ大佐はお茶目な独裁者だったけど、最期は民主化に協力した人、と呼ばれるのか、あるいは処刑されたり亡命を余儀なくされたりするか、瀬戸際ですね。
 最悪のシナリオは、内戦が勃発して長期化し、国が荒れ果ててしまうことでしょう。

 カダフィ大佐の賢明な決断を期待します。

 素朴な疑問なんですが、なんでいつまでたっても大佐なんですかねぇ。
 将官以上の軍人は、階級が下の者から命令をうけるんでしょうか。
 直接民主主義が建前で、国民全員議員みたいなものだから、国家元首のような役職は必要ないそうですが、事実はカダフィ大佐が君臨してますよねぇ。

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