インスタント・セックス

思想・学問

 先ほどNHKの番組で、インスタント・セックスに走る若者の心の闇についての特集番組を放送していました。

 インスタント・セックスとは、主に少女が、親から虐待を受けたりして家庭に居場所がなくなり、家出して泊まるところを得るためにセックスするとか、あるいは社会人の女が寂しさを埋めるために8人ものセックス・フレンドをもって性交と引き換えにわずかな時間恋人気分を味わうとかいうことのようです。

 これは現代の問題でしょうか?

 私はそうは思いません。
 はるか昔から、人はそうやって大した愛情もないままに体の関係を持ち、結果として子が産まれ、繁栄してきました。

 今、若者と言われる世代の祖父母にあたるような年代の、団塊と言われる世代の人々の若いころを思い返してみればよいでしょう。

 当時の若者たちはフリー・セックスやドラッグ、政治運動に血道をあげていました。
 孫にあたる現代の若者たちがクラブに通い、インスタント・セックスに耽っているなんて、可愛いものです。

 女性の性欲はよくわかりませんが、男性は十代の終わりから二十代初めにかけて、狂的かつ獣的な性欲に襲われます。
 それはおそらく、最も活きの良い世代の精子を使って子孫を残そうという、オスの本能なのだろうと思います。
 そしてまたメスは、そういうオスの本能を利用して、居場所や子育てのサポートを得ようという本能があるのだろうと考えます。

 であるならば、わざわざ国営放送がインスタント・セックスなんていうセンセーショナルなタイトルを冠して番組を放送する自体、愚かの謗りを免れません。

 過去、性道徳が世界を支配した時代はなく、性道徳が支配した地域もないのです。

 新聞の社会面を見れば、70歳を過ぎたような老人が痴漢や覗きをくりかえしていることが分かります。
 老人のそれは個人の問題で、若者のそれは時代や社会のせいですか。

 笑わせてもらっちゃあ、困ります。

 10年もすれば、今インスタント・セックスを繰り返している少女たちも大人になり、手前の食い扶持をどうするかは手前で考えなければいけなくなります。

 少女のインスタント・セックス、大いに結構ではありませんか。
 それによって少女は一時的にもせよ精神的・経済的に満たされ、明日への活力を持つのです。

 そして自分が肉体的に売り物にならない、求められないと知ったときこそ、真剣に人生について考えるでしょう。

 今はただ、無軌道に生きなさい。
 今を無軌道に生きるほか、将来救われる道は無いのですから。

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