米国政府が、通称エリア51の存在を認め、話題になっていますね。
エリア51と言えば、米国ネバタ州にある広大な秘密空軍基地で、写真撮影や取材は禁止、下手に近づこうものなら射殺されてしまうほど警備が厳重で、長いこと米国政府はエリア51が存在するともしないとも言わずにきたため、一部に、宇宙人を捕獲して監禁しているとか、UFOの研究をしているとか、面白おかしい噂話が先行し、ハリウッドでは何度かここを舞台に映画製作も行われてきました。
![]() | エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実 (ヒストリカル・スタディーズ) |
田口俊樹 | |
太田出版 |
1947年に墜落したUFOから宇宙人の遺体を収容し、保存したとされる有名はロズウェル事件もエリア51が舞台だとされてきました。
![]() | 砂漠の死体泥棒―ロズウェルUFO墜落事件・戦慄の真相 |
Nick Redfern,並木 伸一郎 | |
マガジンランド |
このたび、米国政府は情報開示請求に従って、その存在を認めましたが、軍用機の実験基地であるとしか、その使命を明かしていません。
そのため、そもそもUFOは米国政府が製造して飛ばしているという噂までありました。
ただ、UFOというと円盤型で奇妙な動きをして飛ぶ、宇宙人が乗っている飛行物体、というイメージが強いですが、未確認飛行物体というのが本来の意味ですから、普通の飛行機でもヘリコプターでも、それが何物か確認できていない間は、UFOということになります。
また、ナチのヒトラー総統は1945年5月に妻、エヴァ・ブラウンと自殺したことになっていますが、未だ遺体は発見されていないため、長いこと、当時ナチに友好的だったバチカンの裏のネットワークを借りて、これも友好的だった南米に逃れ、しかる後南極に渡って基地を作り、第四帝国を立ち上げるための準備をしている、という噂がありました。
その噂に、UFOは南極のナチの残党が作りだした秘密兵器で、実験飛行を続けている、という尾ひれまでついていました。
漫画みたいな話ですが、落合信彦の「20世紀最後の真実 いまも戦いつづけるナチスの残党」に詳しく書かれており、嘘にしても迫力のあるエキサイティングな労作となっています。
![]() | 20世紀最後の真実 いまも戦いつづけるナチスの残党 (集英社文庫) |
落合 信彦 | |
集英社 |
まさか本当だとは思えませんが。
米国は軍用機の実験基地としか認めていませんが、あまりに厳重な警戒やあまりの広大さや秘密主義的なやり方から、UFOはデマだとしても、非人道的な人体実験や、生物化学兵器の開発を行っているのではないか、という疑惑は今もつきまといます。
私も、単なる軍用機の実験基地にしては大仰だし、なぜ今までその存在すら認めず、公然の秘密のままにしてきたのか不思議に思います。
何をやっているかは今も米国の最高機密のようで、これが公表されるのははるか未来のことになるんでしょうね。
私は存命中にその真実を知ることは出来ないでしょう。
しかし、米国政府の意図とは逆に、エリア51はあまりにも有名になってしまい、世界中の人々の関心を呼び、面白おかしい噂話までできてしまったことを思えば、過去非人道的な実験をやっていたとしても、もう出来ないでしょう。
人間の好奇心や噂話というもの、秘密だと言われればなおさら過剰に掻き立てられるようで、おかげで面白い法螺というか噂を楽しむことができて、それで良しと思わなければなりませんね。