あまりにもシンプルな作り、だからこそ現実的な恐怖を感じさせる映画を観ました。
「オープン・ウォーター」です。
仕事に追われて休暇も取れずに働く夫婦。
やっと取れた短い休暇を、南米の海でダイビングをして過ごそうと海辺にやってきた二人。
満員のダイビング・ボートに乗って外海へ。
わずか35分、水深18メートルの海中散歩を満喫します。
ちょっと時間に遅れ気味になった二人。
ダイビングボートのスタッフは全員船に戻ったと勘違いし、岸へと帰ってしまいます。
360度のオーシャンヴュー。
船は1隻も見えず、叫んでも手を振っても気付いてくれる人がいるはずもありません。
やがて現れるサメの恐怖。
二人は励ましあっていたのが、疲労と恐怖から罵り合います。
しかし罵り合ったとて、何の解決にもならず、疲労は増すばかり。
果たして二人は助かるのでしょうか。
伏線もサイドストーリーもないまるでドキュメンタリーのような単純さが、観る者を二人の立場に追い込みます。
幽霊や化け物が出てくる話より、殺人鬼が血しぶきをあげる映画より、現実にあり得ることだという恐怖が、私を震え上がらせました。
ショッキングなシーンは皆無ですが、外海に置いてけぼりにされる恐怖は、想像するだに耐え難いものです。
しかも実話に基づくお話だというから笑えません。
ただし、延々と二人が海に浮かんでいる映像が続くので、退屈するかもしれません。
恐怖に敏感な方にお勧めです。
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