カラオケ

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 先ほど騒々しいテレビ番組で、年代別の人気カラオケ曲のランキングを発表していました。

 42歳の私は、当然40代以上のランキングに目がいきます。
 10代、20代、30代と分けておいて、いきなり40代以上と大きくくくるのは、テレビ局みずからテレビの存在意義を貶める行為でしょうねぇ。
 じつは若い者ほどインターネットやゲームに夢中でテレビを見ず、最もテレビ視聴時間が長いのは60代なんですから。
 テレビは主婦や子ども、若者が見るものという常識は、完全に覆りました。

 これはひとえに、安い制作費で視聴率が稼げる番組を作ろうとした、テレビ番組制作会社の怠慢のせいといえましょう。
 これからさらに少子高齢化が進み、高齢者であってもパソコンやインターネット・ゲームに抵抗がない、という時代が来れば、テレビなんぞ滅びてしまうでしょう。
 そしてあと10年もすれば、そういう時代がやってきます。
 現在の50代後半の世代は、仕事上やむを得ずパソコンを覚え、パソコンになんの抵抗もなくなっていますから。

 で、40代以上で最も歌われている曲は、サザンオールスターズの「いとしのエリー」だそうです。
 この結果自体は順当だと思われますが、私が解せないのは、「勝手にシンドバット」が10位以内に入っていないこと。

 じつは私のカラオケナンバー1ソングです。
 もう10年ちかくカラオケには行っていませんが。

 ふざけた言葉遊びのようなこの曲に、じつはサザンオールスターズの才能が詰め込まれています。
 その路線で行くのかと思いきや、銭が欲しかったのか、浅薄であざとい曲ばかりを連発し、案の定、銭を稼ぎました。

 わが国の歌謡で最も重視されるべきは、花・月・雪。

 これら象徴的な美的存在に触発され、それらに仮託して素っ気無いくらいにあっさりと歌うのが日本人の美的感性だったはず。
 あるいはまた、川柳や狂歌に見られる諧謔的なお笑いを求めるはず。
 それがいつのころからか、あまりにストレートに好きだの会いたいだのと大真面目に歌って、聞いているほうは白けるだけだと思うのに、そういう曲ばかり売れたりして。
 いったい我が国民の歌謡に対する感性はどうなってしまったのでしょう。

 人が人たる最大の理由は言葉をあやつり、しかも言葉は美を生むことを知って、美を求めることにあったはず。
 それが浅はかに愛だの恋だのを歌っているようでは、日本国民総白痴化により、猿に退化するほかありますまい。

 ゆとり教育が失敗に終った今、日本古典文学の教育に力を入れて欲しいと願うばかりです。
  

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