カルト

映画

 人気タレントのあびる優、岩佐真悠子、入来茉里の3人がその名前のままの役で活躍する雰囲気抜群のホラーを昨夜鑑賞しました。

 タイトルは、「カルト」



 TV番組の企画で、ある母子家庭で起こる不可思議な現象のお祓いを実地に取材するため、三人の女性タレントと霊能者が母子家庭の家を訪れます。
 霊能者の名前は、雲水。
 神主とも坊主ともつかぬいでたちで、いかにも日本風なお祓いを試みますが、失敗。
 雲水の師匠の龍元も呼んで、さらにお祓いを試みますが、これまた失敗。

 数日後、雲水も龍元も瘴気にあてられたのか、急死していまいます。

 しかも三人の女性タレントの中の1人、入来茉里は途中パニックを起こして帰ってしまいます。

 その次に現れた霊能者が、ネオ(仮名)なる安いホストみたいなあんちゃんです。
 しかしこのあんちゃん、前の二人とは手法は異なるものの、強力な霊能力の持ち主です。
 龍元のことを龍ちゃんと呼び、「龍ちゃんじゃ無理でしょう」みたいなことをほざきます。
 
 ネオとは「マトリックス」の主人公から取った仮名。

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 茶髪でスリム・スーツを着込んだ、チャラ男風の野郎です。

 龍元や雲水はいかにも日本の伝統宗教に則った感じでお祓いを行いますが、ネオは呪文めいたセリフは一切はかず、ああ、とか、うーんとか言って、気合だけでお祓いを行います。
 ネオ曰く、「俺は俺を信じてんの。神とか仏とか、馬鹿馬鹿しいでしょう」と言い放ちます。

 そして超人的な力で、ことの真相を暴いていきます。
 
 母子家庭と思いきや、母親はあるカルト宗教の信者で、霊媒体質の娘を利用してカルトが言う神様、ネオに言わせると単なる化け物を蘇らせようと画策しています。

 娘はミミズの化け物みたいな黒くて細い物質を仕込まれ、その女を母親と信じ込まされています。

 ネオはそこまで暴いて、「本当の闘いはこれからだ」と言って、唐突に映画は終わります。

 悪魔憑きとか狐憑きとか、一般的な枠に収まらない、この世で最も邪悪で、しかも人間とは成り立ちが異なる生命体を拝むカルト教団が存在する予感を観る者に感じさせたまま。

 しかも途中で逃げ出した入来茉里、強力な霊媒体質ゆえ、カルト教団に洗脳され、いずこにか監禁されているらしいことがほのめかされます。

 物語の重要な場面では、洗脳された入来茉里が生霊となって登場するのです。

 中途半端な終わり方ゆえ、消化不良の感は否めませんが、憑き物を祓う映画としては出色の出来です。
 「エクソシスト」などに比べ、何の宗教のバックボーンも持たない真なる霊能者がチャラ男の風体で登場するのも斬新です。

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 エンディングを観るかぎり、続編があるものと思われますが、この分けの分からない終わり方で全編終了としたほうが、伝説のお祓いホラーとして名を残すのではないでしょうか。

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