雨の土曜日。
朝っぱらからグロい映画をDVDで鑑賞しました。
その名も、「グリーン・インフェルノ」。
直訳すると緑の地獄、ということになりましょうか。
平たく言えば、ジャングルで繰り広げられる食人映画です。
![]() | グリーン・インフェルノ [DVD] |
ロレンツァ・イッツォ,アリエル・レビ,カービー・ブリス・ブラントン,マグダ・アパノヴィッチ | |
ポニーキャニオン |
![]() | グリーン・インフェルノ [Blu-ray] |
ロレンツァ・イッツォ,アリエル・レビ,カービー・ブリス・ブラントン,マグダ・アパノヴィッチ | |
ポニーキャニオン |
私が中学生の頃、「食人族」という、やはりジャングルの未開の部族に白人が食われる、という映画がありました。
感じはよく似ていますが、「グリーン・インフェルノ」のほうが、社会問題を扱っているというか、説得力があったように思います。
ジャングルに眠る地下資源を求めて開発を進める業者から未開の村を守ろうと、運動家たちがジャングルに行きながら、未開の部族に囚われて次々と食われ、最後に残った女子大生が結局は作業員を護衛するための軍隊に助けられる、という皮肉な結末や、活動家のリーダーが裏では業者とつながっていて、しかも自分さえ助かれば仲間が食われても構わない、という態度を露骨に示したり、社会の闇や人間の闇が描かれているのですよ。
食人の風習がある部族は、今は知りませんが、過去には確かに存在していて、部族内部の者を食す族内食人と、主に敵を食らう族外食人とがあるそうです。
族内食人は、死者への愛着から魂を受け継ぐという儀式的意味合いがあるとかで、親族や知人たちが死者を食べることにより、魂や肉体を分割して受け継ぐことができるという考えのようです。
族外食人は敵に対する憎悪、あるいは敵の力をもらうといった意味があるようです。
どちらにしても、それを実際に行う人々にとっては、残酷な話ではなく、牛や豚を食うのとさして変わらないでしょう。
この映画、目玉を生きたままくり抜いてそのまま食っちゃったり、人体をバラバラにしたりといった残酷シーンのせいかR18の指定を受けていますが、それが部族の自然な営みだと思うと、恐怖はつのるものの、残酷ではないのかもしれない、という不思議な感覚を覚えさせられます。