コロナ禍の大運動会

社会・政治

 マスク、手洗い、手指の消毒。
 今や日常生活で必須のこと。
 これが効くと思ったのは、1年以上風邪をひいていないこと。
 今までは、風邪をひいたりインフルエンザに罹患したりして、年に2回くらいは寝込んでいたのですが、コロナ騒ぎが起きてから、1年以上、健康です。

 コロナが流行って健康になるなんて、皮肉なものですね。

 この時期に発熱を起こしてはいけない、という気合みたいなものも大きいのかもしれません。

 高熱でも出そうものなら、職場からは出勤停止を命じられ、それはPCR検査で陰性が証明されても、しばらくは続くでしょう。

 今、東京では何度目かの緊急事態宣言が発令されていますが、最初の緊急事態宣言の時に比べて、都民の行動はずいぶん緩くなりました。

 渋谷のスクランブル交差点も、浅草寺の雷門前も、閑古鳥が鳴いていたのが、今では結構な人出です。

 慣れというのは怖ろしいですね。

 私たちの職場でも、緊急事態宣言が出たときは、全員在宅勤務を命じられたものです。
 それが今では、出勤するのが当たり前になりました。

 そして、オリンピック。

 緊急事態宣言を発出して、酒は飲むな、外で飯食うな、外出するな、人込みを作るな、なんて言っておきながら、世界大運動会は開催するのですね。

 どういう理屈だかよく分かりません。

 選手、報道陣を含め、何万人もの人が東京をはじめとする競技場各地に続々と入って来ています。

 これでコロナは爆発的に広がるものと私は思っています。

 おそらく、日本株、もしくは東京オリンピック株とでも言うべきものが発生し、猛威を振るうのではないでしょうか。
 そうなれば、東京オリンピックは大失敗ということになり、オリンピックの歴史で暗黒大会と呼ばれることでしょう。

 そうならなければ良いですが、過去、人が集まれば必ずコロナが爆発的に増えるということは分かり切っています。
 政治指導者は何が何でもでもオリンピックを開催したいようですが、さらなる延長、もしくは中止を考えるべきでしょうね。

 今さら遅いかもしれませんが。

 英国はまだまだコロナ患者が大勢いるにも関わらず、あらゆる規制を撤廃したとか。
 ワクチンで重症化を抑え込み、例えばインフルエンザのように、人類と共生する社会を目指そうということのようです。

 意図は分かりますが、時期尚早のような気がします。

 コロナ疲れが国民の間に広がり、飲食店やそれに連なる酒屋や魚屋などが、悲鳴を上げているどころか、バタバタと廃業に追い込まれていると聞きます。

 私はそれが一番恐ろしい。
 わが国の豊かな食文化が、死んでしまいます。

 わが国民は食については冒険家。
 多くの国が、自国由来の食事ばかりを摂っている、保守的な舌を持っているそうですが、わが国は中華やフレンチは言うにおよばず、イタリア料理、スペイン料理、トルコ料理、インド料理、広い意味での東南アジア料理が人気で、都会にはそういった店がたくさんあります。 

 もちろん、寿司屋、天ぷら屋、懐石料理店などなど、日本料理の店も。

 それらが軒並み廃業に追い込まれたら、私の愉しみの7割くらいは失われてしまいます。

 世界大運動会、どうか中止してください。
 それが無理ならもう一年延期を。

 今オリンピックを開くことがどれだけ危険か、政府のみなさんは国民よりもはるかに多くの情報を持っているわけですから、よくご存知なのではないですか。