夏といえば怪談ですが、22年前の邦画で、幽霊とのふれあいを優しく描いた佳品があります。
「異人たちとの夏」です。
まだハリウッドの名作「ゴースト」が製作される前の作品です。
妻と別れた風間杜雄演じる中年男が、死んだはずの両親に再会します。
両親は主人公と同年輩です。
下町の小さな借家で、主人公は懐かしい両親と、昔ながらの生活に触れます。
浅草ですき焼きをごちそうになったり、小言を言われたり。
主人公は両親との甘い時間に陶酔していきますが、次第に衰弱していきます。
衰弱の様子を見て、ここが潮時と、両親はあの世に戻っていくのです。
両親との二度目の別れです。
そのとき、中年男は人目もはばからずに泣くのです。
両親との再会と時を同じくして、中年男は新しい恋人を得ており、恋人との関係も良好なのですが、両親との別れのあと、恋人は・・・、後は小説なりDVDなりでお楽しみください。
多分この映画の後、幽霊と親和的な物語が展開する映画やドラマが増えたように思います。
怖いだけではない、切ないゴースト・ファンタジーです。
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