サイレント・トーキョー

映画

 良く晴れた勤労感謝の日。
 同居人は休日出勤です。
 最近、忙しいようです。
 同居人に依存している私は、一人の休日を持て余して、昼まで寝ていました。
 昼に起きて、何も食う気が起きず、ビールを飲んで良い気持ちになりました。
 つまみはなし。
 空きっ腹に効きます。
 体重は昨日の晩より1キロ落ちてしまいました。

 その後、DVDを借りに出かけ、「サイレント・トーキョー」という爆弾テロを描いたサスペンスを借りました。
 DVDを借りるのは、じつに久しぶりです。  

 



 爆弾テロの犯人は、「日本を戦争ができる国にする」と言い放つ時の総理大臣との直接会談を要求。
 受け入れなければ渋谷のハチ公口を爆破すると予告します。

 そしてそれは不幸にも実現してしまいます。
 大規模な爆弾で、多くの人が死傷します。
 時あたかもクリスマス・イブ。
 悲惨な事件です。

 犯人は何者か。
 警察は爆弾に精通した警察官や自衛官を疑います。
 しかし一向に犯人は浮かび上がってきません。
 焦る警察。
 焦るがゆえに誤認逮捕を繰り返し、爆弾魔は、次は東京のいずこかに爆弾を仕掛けた、と予告します。
 東京のいずこかでは、探しようもなく、警備のしようもありません。
 しかしある父子の登場で、次は東京タワー、さらにはレインボー・ブリッジを狙っていることが示唆されます。

 東京タワー、そしてレインボーブリッジはどうなるのか、目が離せません。

 犯人は地雷処理のために紛争地に赴いた自衛官の身内で、しかも小さな女の子が自衛隊に戦争を酷くしたと恨み言を述べ、自ら地雷を踏んで自殺します。
 少女の自らを犠牲にした訴えは、誰にも届きません。
 ただ、一人の使命感に燃える自衛官の心を破壊しただけです。

 自由主義諸国、わけても米国は、様々な紛争地に出かけて行っては、騒ぎを大きくし、結局解決出来ずに後は野となれとでも言うがごとく、撤退してしまいます。
 アフガンからの撤退はまさにそうでした。
 爆風で足をやられ、心に深い傷を負った自衛官は狂気を帯びて帰国。
 妻に爆弾の扱い方、作り方を詳細に教え、自分の身は自分で守れと言い残し、自殺してしまいます。

 そしてあまりに意外な犯人とその動機。
 それらが繋がった時、あまりにも切ない犯人、そして犯人の身内の過去が明かされます。

 主題歌も静かなクリスマスソングで、心に響きます。

Awich – Happy X-mas (War Is Over)



 佐藤浩市.  石田ゆり子.  西島秀俊. · 中村倫也.  広瀬アリスら、当代一流の豪華俳優陣が映画を盛り上げます。

 難を言えば、警察、犯人、被害者がそれぞれに深い闇を抱えていて、盛り込み過ぎの消化不良を起こしていることです。
 尺が短すぎたのかもしれません。
 しかし単に長くすると冗長になりますから、その塩梅は難しいところです。

 秋の休日、一人静かにDVD鑑賞も悪くありません。