ザ・ウーマン 飼育された女

映画

 今日は朝っぱらから斬新で残酷、それでいて優れた心理描写が光る新感覚ホラーを鑑賞しました。

 「ザ・ウーマン 飼育された女」です。

 

 法律事務所を営むクリスは自信家で優秀な弁護士。
 彼の趣味は森でのハンティングです。
 ある時、彼はじつに奇妙な獲物を見つけ、生け捕りにしてきます。
 その獲物とは、ほとんど言葉を理解せず、動物の生肉を食う女だったのです。
 映画の冒頭で赤ん坊が狼に可愛がられるシーンがあることから、狼に育てられたものと推測できます。

 クリスはその女を地下に監禁し、人間として再教育を施そうと試みます。
 クリスは妻、高校生の長女、中学生の長男、幼児の次女にそれぞれ役割を与え、女を飼育し、少しずつ人間らしくなっていきます。

 しかし、クリスは女を強姦。
 長男も女を裸にしてオナニーしたりします。
 母親がそれをなじっても、クリスは「男とはそういう生き物だ」、と言って逆に妻に暴力を振るいます。

 このあたりから、クリスが極端な男女差別主義者であるらしいことがほのめかされます。
 長女が妊娠しているらしい、とクリスの自宅を訪問した女性教師に「ふざけるな」とばかりに殴り倒し、獰猛な犬が数匹いる犬小屋に投げ込んでしまいます。

 ここでもう一つ驚きが。
 眼球が無い少女が犬と一緒に女性教師を襲い、生肉を喰らうのです。
 この少女、無眼球症という病気にかかったクリスの娘で、犬と一緒に犬小屋で飼育されていたのです。
 てっきり飼育されているのは森でハンティングしてきた狼女だけだと思っていたので、唐突に現れた人肉食いの少女には驚きました。

 家族に君臨する男権論者の暴力的な父親、父親の忠実な僕である長男、恐怖から彼に逆らえない妻と長女、それに犬小屋の目が見えない娘、狼女の複雑な人間模様が描かれ、単に残酷なだけでなく、心理描写が見事です。

 不快な映画ではありますが、非常に優れた作品でもあります。
 暴力シーンが苦手でなければ、是非ご覧ください。

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