ザ・マーダー

映画

 本日2本目のDVD鑑賞は、いやぁな感じが良いサイコ・サスペンス「ザ・マーダー」です。

 昨今サイコ・キラー物というのは安易に製作されすぎているように感じていましたが、これはなかなかの出来です。

 川のある町で、連続強姦殺人事件が発生。
 殺された女性たちには共通点が。
 それはその町の某中年刑事と関係を持ったことがある、と言う点。

 もちろんその刑事は有力な容疑者にされますが、監視下において事件が発生したために容疑は晴れ、FBIから乗り込んできた感じの悪い捜査官に命令され、48歳になるその刑事が過去に一度でも関係を持った女のリストを作ります。

 全部は覚えていないと言いながら、リストは100人を超える大部のものに。
 プレイ・ボーイの絶倫パパだったというわけです。
 しかし40歳で結婚した後は誰とも関係していないと嘘をつき、それが不信を呼びます。

 死体にはある特徴が。
 舌に剃刀で十字の印が刻まれ、膣にはその女の結婚指輪、未婚の場合には宝飾品が入れられているのです。
 そして腹部には旧約聖書の姦淫の妻をなじる言葉が書かれています。

 一見して、女の姦淫を責めるキリスト教原理主義者が犯人かと思わせます。

 ここからはネタバレになります。
 ネタを知りたく無い方は読まないでください。

 刑事は18才のとき16才の少女と初体験を済ませ、不幸なことにその一回で少女は妊娠してしまいます。
 少女は結婚を望みますが刑事はそれを拒否し、産婦人科医に巨額の金を前金で払って中絶を依頼。
 刑事は無事中絶が済んだものと信じます。


 少女は密かに遠い町で子どもを生みますが、精神を病んで精神病院に入退院を繰り返し、その息子は長じて神父を目指して神学校に通います。
 が、狂信的だとして退学させられます。

 この息子こそ、犯人です。

 自分を胎児のうちに殺そうとした父の罪を責め、救世主が現われる前に道を整えるために使わされるはずの使者こそが自分であると信じ、殺戮を繰り返します。

 私には子どもはいませんし、誰かを妊娠させた覚えもありません。
 従って自分に子どもが出来るという感覚がわかりません。

 そういえば26くらいのときに、酒を飲んでいて何かの拍子に「自分には水子はいない」と言ったら、3つ上の先輩が突如として切れ、「言い切れるのっ!なんで言い切れるのっ!」と言われたときは驚きました。

 可能性は0ではないでしょうが、この映画の刑事のような絶倫パパではないので、多分間違いないでしょう。
 その先輩、もしかしたらその頃女性関係で悩んでいたのかもしれませんね。
 けっこうもてていましたから。
 今は46歳で独身。
 痩身でニヒルな感じだったのに、今では小山のように太って、頭髪も薄くなってしまい、人が良いおじさんみたいになってしまいました。
 無常ですねぇ。

 もうそんなことで悩まされることはないんじゃないでしょうか。

 閑話休題。

 子どもがいないというのは気楽で結構ですが、この世に生まれたオスとして、自分の遺伝子を縦につなぐことができなかったのは少し残念な気がします。

 まぁ、今更どうしようもないですが。

 それに私のような偏屈な父親の遺伝子を持った上に、わが家のような貧乏な家庭に生まれ育つ子どもが可哀相な感じもします。
 不幸な人生を歩むこと必至でしょうからねぇ。

 それなら自ら悪因を絶ったことで、私は救われるのかもしれません。


 この映画、結婚指輪にずいぶん重きを置いていましたが、米国人というのはそういうものなんでしょうかねぇ。

 籍を入れてそろそろ15年になりますが、私も同居人も指輪をしたのは一回だけ。
 くだらぬ儀式を行い、つまらぬ宴を開いた日だけです。

 別にもてなくなっちゃうとか言う積極的な理由はなく、着け慣れないものを着けることに違和感があってなんとなく、というだけのことです。
 捨ててはいないはずなのでどこかにはあるんでしょうが、引越ししてからどこにあるか知りません。

 どこかに紛れていれば良いですが、同居人が後生大事に持っていたら怖いですねぇ。
 そんなことが発覚したら私は裸足で逃げ出す他ありません。

 何事も執着はいけません。
 例え家族との絆であっても。

 籍を入れようが何十年も同居しようが、私はどこまで行っても私でしかなく、同居人もまた然り。

 独りで生まれて独りで生きて独りで死ぬのが、人間のみならず全生物に課せられた過酷な現実なのですから。

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