スキー部隊

社会・政治

 今日は久しぶりの雨でしたが、気温は高かったようで、春の訪れを感じさせるものでした。
 しかし油断は禁物です。
 千葉市でも年に一度か二度は雪が降ります。
 今年はまだ降っていませんから。

 雪が降ると辛いのは、車が出せないこと。
 私は免許を取って35年、初めて車を買って30年経ちますが、冬タイヤを履いたことがありません。
 必要性を感じなかったせいです。
 たまの雪なら電車通期をすれば良いと思ってきたのですが、今の職場、最寄り駅から徒歩だと20分かかります。
 雪中行軍となると30分もかかります。
 しかもタクシー会社が腰抜けと言いますか、雪の日はまるでタクシーがいません。
 雪に慣れていないので、何度もコケます。
 最近、冬タイヤを履いたほうが良いのかなと思いつつ、面倒くさくてノーマルタイヤのままです。

 私が冬タイヤの車を運転したのは一度きり。
 20代半ばの頃、先輩に強引にスキーに連れていかれた際、先輩から疲れたので運転を交代してくれと言われた時だけです。

 私は子供の頃親に連れられて何度かスキーに行き、少し滑れるようになりましたが、何が面白いのかさっぱり分からず、スキーとは無縁でした。
 当時バブルは弾けていましたが、まだバブルの余韻が残っていて、スキーをやらずんば若者にあらずみたいな空気が漂い、猫も杓子もスキーに行っていました。
 当時流行った「私をスキーに連れてって」などという軽薄な映画の影響もあったのかもしれません。 

 わが国にスキーが取り入れられたのは、日露戦争の直前、陸軍がロシアとの戦いに備え、冬の八甲田山を踏破する訓練を行った際、多数の死者が出たのがきっかけだと聞いたことがあります。
 その事故のニュースが世界に流れ、フィンランドだったと記憶していますが、スキー部隊を持つ北欧の国から取り入れるよう勧められたのがきっかけだそうです。
 長いことロシアの圧政に苦しみ、独立して間もないかの国がお節介にもスキー部隊の導入を働きかけたわけですが、ついぞわが国の陸軍がスキー部隊を編成したという話を聞いたことがありません。

  スキーを履いて森林にまぎれ、ゲリラ戦のような戦いをすることをそもそも想定出来なかったのではないでしょうか。
 寒い国で戦う場合、寒さが最大の敵になります。
 ナチもそれで独ソ戦に敗れたと言っても過言ではないでしょう。

 現在進行形のロシアとウクライナとの戦争、どちらも寒い国ですので、慣れている分、この冬はお互い消耗戦になるのでしょうね。
 寒いのは辛いですから、両国の兵隊たちがお気の毒です。
 浮かれてスキーなんかしているわが国とは異なります。

 わが国においても、シベリア抑留など、寒さに苦しめられた苦い経験があります。
 寒さに飢えが加わったなら、まさしく地獄絵図と化すでしょう。

 戦争もなく、冬でも暖房の効いた職場や自宅で過ごせる幸せをかみしめなければなりません。