ストーカー殺人

社会・政治

 先般、都内三鷹市で18歳の女子高生が21歳の男にストーカー被害を受け、ついには殺害されてしまうという痛ましい事件が起きてしまいました。

 切ないのは、両親とともに三鷹署に相談に訪れたその日の夕刻には殺害されてしまったこと。
 三鷹署員はその日のうちに凶行に及ぶとは夢にも思わず、犯人となる男の携帯電話に三度電話し、いずれも出なかったため、「三鷹署に電話するように」との留守録を残していたとか。

 元警察官と言う人がテレビで解説するには、8~9割のストーカーは警察が動き出したと知っただけで付きまといなどの迷惑行為を止めることから、警察の措置は妥当なものだった、と言っていました。

 では残り1~2割はどうなっちゃうんでしょうね。

 推測するに、警察に通報した相手を逆恨みし、より過激な行動に出るんじゃないでしょうか。

 今回、警察が電話したその日に女子高生を殺害に及んだことを考えると、警察からの電話が犯人に犯行を決意せしめたように思えてなりません。

 もちろん、まだ分かりませんが。

 ストーカーと言う概念はわりと最近のもので、広く知られるようになったのは、せいぜい20年ばかり前からではないかと思います。

 それまでは、変質者もしくはただのしつこい奴、くらいの認識しかなく、そもそも重大な犯罪だという認識がありませんでした。
 もちろん、暴行や殺害にまでいたれば別ですが、現在のストーカーもそこまでエスカレートする例は稀かと思います。

 男女が逆ですが、「危険な情事」という映画、怖かったですねぇ。

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 不倫相手の女の執念には驚きました。

 私の後輩にも、ストーカー被害にあった若い男がいます。

 同じ職場でパートで働く50代の女性が、食材を持ってアパートの前で待ち構えていたり、交際をしつこく迫ってきたり、怖ろしかったそうですが、意を決して迷惑だから止めてくれ、と宣言したところ、ぼろぼろと涙を流し、翌日から無断欠勤してそのまま退職し、二度と迷惑行為には及ばなかったそうです。

 たまたま聞きわけの良いおばちゃんだったから良いようなものの、一歩間違えれば悲惨な事件に発展した可能性もあったでしょう。

 また、警察の得意とするところは、起きてしまった事件を解決すること。

 防犯意識を高める啓蒙活動は出来ても、起きるか起きないか分からない事件を未然に防ぐというのはかなり困難です。

 付きまといをしたからと言って直ちに逮捕することはできません。
 口頭で警告を発し、それでも駄目なら文書で警告し、さらに続くようなら被害者からの被害届を待って捜査し、確たる証拠をつかんで晴れて逮捕ということになります。

 こんな悠長なことをしていたのでは、凶悪なストーカーはたっぷりと時間をかけて犯罪の計画を練り、実行に移すことができるでしょう。

 ただし、誰が凶悪なストーカーなのかは、事件が起きるまで分かりません。
 予知能力でもあれば別ですが、人権を重んじるわが国ではストーカーの人権も擁護しなければなりません。

 あちらを立てればこちらが立たずで、じつに歯がゆいですねぇ。

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