いやぁな映画を観てしまいました。
「ファニー・ゲームUSA」以来の後味の悪さです。
しかも「ファニー・ゲームUSA」にあった娯楽性すら皆無です。
欧州では10秒に1件、年間300万件も起きると言われる強盗事件。
その実体をリアルに描いた秀作「スペイン一家監禁事件」です。
スペインで中年の夫婦と高校生の娘の3人家族が郊外の豪邸に引っ越してきます。
導入部は、引っ越しの忙しなさや引っ越すことへの高揚感、娘のわがままぶりなどが微笑ましく描かれます。
しかしその晩、3人の黒覆面の強盗が家に押し入るに及び、事態は一変します。
冷静沈着なリーダー、乱暴者、気弱な男の3人組というのが、またはまっています。
強盗は緻密な計画を立てていたようですが、来客があったり、娘が気丈にも強盗に歯向かったりと、ことは思うように運びません。
長まわしのシーンの連続と、重要な場面では画面を2分割して二つの状況を同時に放映したり、緊迫感という意味では出色の出来です。
そして、これ以上無いほど後味の悪いラスト。
強盗も被害者も結局は一晩かけてすべてを失うのです。
強盗のリーダーのセリフが戦慄です。
「お前らの命なんてどうでもいい。今は生かしておいたほうが楽だからそうしてる。殺すほうが楽だと思ったらすぐに殺す。楽したいもんなぁ」
と。
この話はどこか遠い世界の法螺話ではなく、誰でもが、いつ被害者になるか分からない現実のものです。
多分そこが、怖ろしく、またリアリティを以て迫ってくる理由であようねぇ。
2010年オースチン・ファンタスティック・フェスで最優秀ホラー映画賞&最優秀ホラー監督賞のダブル受賞したという問題作。
いやぁな映画ではありますが、出来栄えはなかなかのものです。
後味悪い系が嫌いではない方、お勧めです。
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