今宵はなんだか好きな酒を飲む気が起きず、素面で過ごしています。
素面だと夜の時間がゆったり流れるようで、火の酒に酔ういつもの晩とはまた違った心地よさがあります。
DVDを観ました。
「スラッシュ!」です。
![]() | スラッシュ! (ユニバーサル・セレクション2008年第12弾)【初回生産限定】 [DVD] |
ジェームス・オショア,ズレイカ・ロビンソン,クレイグ・カークウッド | |
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン |
Slashとは、滅多切りと言う意味。
スラッシャー・ムービーという分類があるくらい、殺人鬼が被害者を滅多切りにしていくホラー映画は多く製作され、それは大抵B級とされます。
今日観た映画は、青春群像劇を取り混ぜたスラッシャー・ムービーです。
将来の大ブレイクを夢見てロック音楽活動を続ける売れないバンド、SLASH。
ある日、ボーカルの美青年の叔母が亡くなった、との訃報を受けて、10数年ぶりに故郷に帰ります。
ド田舎の農場です。
なぜかバンドが移動する時に使う古びたバスで、バンドメンバー全員が葬式に参列します。
すぐに帰る予定が、バスの故障で数日滞在することに。
ボーカルの姓はマクドナルド。
父親は大いに喜び、ボーカルもせっせと農場の仕事を手伝います。
農場には迷信で、鳥の血を作物に撒くとよく育つ、と言い伝えられています。
しかしすでに亡くなったボーカルのじいさんは、人を殺害しては血を作物に撒く殺人鬼だった、と土地の人間に聞かされます。
父親は単なる噂だと否定しますが、叔母さんの葬式の後、また血の大収穫が始まります。
マクドナルド家で働く無口で勤勉な中年男は、マクドナルドの血が蘇った、と不気味に言い放ちます。
では犯人はボーカルなのか、あるいは父親か、はたまた2人ともか。
分からないまま、殺人は続きます。
やがてバンド・メンバーは都会に戻り、農場での暮らしに飽き飽きして都会に出て行く少年の曲を作って大ヒット。
面白いことに、マクドナルド家で働いていた中年男、日曜日にオルガンを弾いていたうえに、優れた音感の持ち主だということで、バンドの一員となって、キイ・ボードを演奏しています。
その間も血塗られたマクドナルド家による殺人は続くのです。
ストーリーは単純だし、残酷描写は中途半端だし、ホラー映画としては物足りません。
しかし、ホラー映画は、学園ホラーなどと呼ばれるように、青春を描く要素があり、その切なさがこの映画を駄作から辛うじて救い出しているように思います。
しかしまぁ、タイトルやパッケージから感じる印象ではもっとえげつない作品を期待してしまうでしょうから、そこらへんは残念ですねぇ。