セクハラ先生

精神障害

 京都学園大学の61歳の男性准教授が度重なるセクハラで懲戒解雇されたそうですね。

 いい年をして、お盛んですねぇ。

 私は学術行政の仕事をしており、様々な国立大学や国立研究所で勤務してきましたが、セクハラよりもパワハラよりも、アカデミック・ハラスメントの問題を多く見てきました。

 アカデミック・ハラスメントは教授や准教授が大学院生や非常勤講師に行う暴言などで、学術の世界は極めて狭く、同じ分野の教員とは一生の付き合いになることから、常勤の職を持たない研究者は、学界の大御所や先輩に嫌われて常勤の職に就けないことを怖れ、多くは泣き寝入りしてしまいます。

 一方学術行政を担う事務職員は、上司といえども頻繁に人事異動があり、大きな世界であることから、ちょっとした暴言などでもすぐにハラスメント防止委員会などに訴え出ます。
 それを知っている管理職は可哀そうなほど委縮して、部下の顔色をうかがうような状況が現出しています。

 私自身、このブログでたびたび紹介したとおり、研究者である職場のトップから度重なる暴言を受けて精神に変調をきたし、弁護士を立てて公文書による謝罪と損害賠償を求め、それは認められました。

 私の完全勝利というわけで、誠に痛快な出来事でした。

 惜しむらくは、相手方から直接口頭による謝罪が無かったこと。
 所詮はその程度の器の、学者馬鹿だったということでしょう。

 私の事件がきっかけで、職場ではハラスメント防止規程が整備され、ハラスメント相談員やハラスメント防止委員会が立ちあげられました。

 最近話題になっている部活動での体罰や学校でのいじめの問題も、根っこは職場のハラスメントと同じだと思います。
 泣き寝入りしてはいけないのです。
 そうでないと、相手方は自分が悪いことに気付かないからです。

 利害が衝突した時、最もいけないのは、自己主張をせず、我慢してしまうこと。
 それは自分にとって不利益なだけでなく、相手方にとっても反省の機会を逃し、同じような犯罪的行為を繰り返す原因になってしまいます。

 モンスター・ペアレントとかモンスター・ペイシェントなどと呼ばれる、学校や病院にクレームを付ける人々を責める風潮がありますが、それがモンスターなのか、理にかなった抗議なのかは、判断が難しいところで、クレームを付ける側にはそれなりの理屈があり、その理屈と、受けた側の組織の理屈を調整するには、最終的には法的手段しかないことになります。

 日本人は弁護士を立てたり訴訟を起こすことをご大層なことのように思いこみ、そんなことをするのはおかしなやつだという風土があるような気がします。

 しかし何のために弁護士や検察、判事が高い収入を得ているかを考えれば、じゃんじゃんそれら法曹関係者を使うべきです。
 彼らもまた、庶民の幸せを守るべき社会資源に過ぎないわけですから。

 どうかこのブログをご愛読下さる方には、不利益をこうむった場合、世間体とか自分の出世など気にせず、勇気ある少数者として、俄然、声を挙げて欲しいと思います。

 そういうことの積み重ねが、世の中からハラスメントやいじめ、体罰を根絶する道につながるわけですから。


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