昨夜はサイコ・サスペンス、「セッション9」を鑑賞しました。
廃墟と化した巨大精神病院。
文化財に指定されたため、売却も取り壊しもできず、リフォームして市庁舎にすることになり、アスベスト処理業者5人が建物と悪戦苦闘します。
かつて精神病院で行われた人権を無視した治療に苦しめられた患者たちの気配が濃厚に漂います。
病院で作業をするうち、ある者は多重人格の患者を診察した様子を録音したテープを聞くことにのめりこみ、さぼってばかりいます。
壁の裏から大量のコインを見つけ、仲間にみつからないよう夜中にとりにくる男。
妻を殴ったため、家に入れてもらえずにモーテル暮らしを続けるリーダー。
リーダーの相棒でありながら、情緒不安定なリーダーを排除しようとするサブリーダー。
リーダーの甥でアルバイトの少年は暗所恐怖症です。
心霊ホラーっぽい映像が続きますが、この映画に超自然的な要素はありません。
壊れやすい人間精神の危うさがスリリングに描かれ、見事です。
あまり期待しないで観たのですが、なかなかの佳作です。
タイトルは多重人格の患者と精神科医との診察=セッションのテープが9本存在することから付けられています。
セッション1から9まで聞く間に、アスベスト業者は仲間割れや諍いを起こし、破滅していきます。
セッションの内容がオチに深くからんでいると判明するのは、当然ラストです。
硬派なサスペンスと見ました。
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