なんということもなく、今日は休暇をとりました。
わが国民の有給休暇取得率は極めて低いので、取得率上昇に寄与するために。
で、映画館に足を運びました。
平日午前のシネコンはがらがらで、年配男性の一人客が目立ちました。
私も早く退職してそんな身分になりたいものです。
観たのはティム・バートン監督とジョニー・デップ主演の黄金コンビの最新作、「ダーク・シャドウ」です。
私はティム・バートン監督が作り出す張りぼての城のようなおとぎ話の世界を偏愛していて、ずいぶん観ました。
中でもお気に入りは「シザー・ハンズ」と「ビッグ・フィッシュ」ですねぇ。
今日観た「ダーク・シャドウ」も作り物めいたおとぎ話の世界が炸裂していました。
ホラー的要素、純愛的要素、ポルノ的要素、家族愛的要素、様々な成分が渾然一体となった、重層的な作りこみになっていました。
ただ少々悪乗りが過ぎるようで、完成度において少し不満が残りました。
200年前、英国から新大陸に移住したコリンズ一家は水産業で財をなします。
その家の長男に懸想した使用人の娘。
長男を誘惑し、2人は肉体関係をもちますが、長男の心は別の女性に向いていました。
魔女でもあった使用人の娘は、叶わぬ恋と知り、恋情は憎しみに化け、長男に呪いをかけて吸血鬼に変身させたあげく、村人をたきつけて彼を生きたまま棺に閉じ込め、埋めてしまいます。
そして1972年、工事中に棺が発見され、長男は蘇るのです。
お礼に工事の連中11人の生き血をすすって殺害し、元気になって今は没落したコリンズ家の邸に帰り、遠い親戚ということで1972年のコリンズ家の一員に迎えられます。
一方使用人の娘は魔女であるがゆえに今も若く美しいまま生き続け、コリンズ一族を呪い続けて水産会社の社長に納まっています。
復活したコリンズ家の長男と使用人の娘との、200年ごしの恋と争いが勃発。
長男はときおりLOVE&PEACEを地で行く若者たちを襲って生き血をすすったりしながら、コリンズ家の復興を目指して奮闘します。
テレビに驚いて小人をテレビから出そうとしたり、吸血鬼なのにサングラスと日傘だけで昼日中歩き回ったり、頓珍漢なユーモアが笑えます。
また、今にいたるもコリンズ家の長男の愛を欲する魔女や、新しい恋にはしる長男、パーティ客の上着から小銭を盗むこそ泥めいたコリンズ家の1972年の1人など、人間の欲深さを見せ付けられ、切なく感じたりします。
作りこみが重層なので、いかようにも解釈できる映画に仕上がっています。
ティム・バートン監督のファンでなくても楽しめる映画だと思います。
![]() | シザーハンズ (特別編) [DVD] |
ジョニー・デップ,ウィノナ・ライダー,ダイアン・ウィースト | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
![]() | ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション [DVD] |
ユアン・マクレガー,アルバート・フィニー,ビリー・クラダップ,ジェシカ・ラング | |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
にほんブログ村
映画(SF・ファンタジー) ブログランキングへ
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!