昨夜はダーク・ファンタジー「デビル・クエスト」を鑑賞しました。
暗黒の中世ヨーロッパ。
十字軍の騎士として戦い続けた二人の騎士が、十字軍に正義はないと確信し、脱走します。
たどり着いたのは、黒死病が蔓延する町。
やはり黒死病に冒された司祭から、黒死病の元凶とされ、魔女の疑いをかけられた少女を遠く離れた修道院に護送し、裁判を受けさせて欲しいとの依頼を受けます。
脱走の罪を免罪してもらうことを条件に、二人の騎士は道案内の元詐欺師と教会の少年僧とで鋼鉄の檻に入れた少女を馬で引き、旅に出ます。
海岸を歩き、樹海のような深い森を抜け、ぼろぼろのつり橋を渡って、彼らは修道院にたどり着きます。
しかし修道院も黒死病の猛威に襲われ、骸の山と化していたのです。
少女は本当に魔女なのか?
不潔で薄暗い修道院で、騎士たちは少女と対決するのです。
アクションの要素が強く、一気に観られる娯楽作に仕上がっています。
それにしてもヨーロッパの時代劇というのは、我慢ならないほど不潔な感じが漂っていますね。
ペストが何度も流行したのは、衛生観念が希薄だったせいではないでしょうか。
わが国でペストが流行したとは聞きませんし、戦国時代にわが国を訪れた耶蘇教の坊主や南蛮人、下って明治期に訪問されたロシア皇太子など、こぞってわが国の民下々にいたるまで清潔を重んじていることを驚愕とともにつづっています。
ヒールが高くなったのは町にあふれる糞尿を踏まないためだとか、グラスがごつごつしているのは手づかみで肉などを食らっていたため、手が脂ですべるため、滑り止めのためだったとか、テーブルと椅子が高くなったのは、食事中床を這い回るネズミがテーブルに上がれないようにするためだったとか、嘘のような話を耳にします。
現代でも、欧米人は体を洗う清浄であるべき空間に便器を同居させていますね。
どんな高級ホテルに泊まっても、浴槽と同じ室内に便器が鎮座ましまして、ぞっとします。
入浴中誰かがもよおしたらどうするんでしょうね。
靴を履いたまま家に上がるかと思えば、平気で外を裸足で歩いたりもする不思議な人々。
衛生観念の欠如は今も変わらないようです。
香水が発達したのもあまり風呂に入る習慣がなかったからだと聞き及びます。
しかしこの映画では、中世ヨーロッパの不潔さが、重要なアクセントになっています。
きっとヨーロッパらしい感じがするんでしょうねぇ。
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