ホラー・サスペンスかと思いきやじつは青春群像劇だった「トゥエルブ」を昨夜鑑賞しました。
春休み、寄宿制の高校からマンハッタンの高級住宅地に帰宅したお金持ちの高校生たち。
そんな中、マイクは母親を亡くしてから高校を中退し、ドラッグの売人になります。
主な顧客は元同級生のお金持ち高校生。
彼らは春休みの期間、親が留守のお屋敷で毎夜のようにドラッグ・パーティに耽ります。
そんな中、ハーレムに住む貧乏な少年、ナナが射殺死体でみつかります。
マイクの親友が殺人の疑いをかけられ、警察に拘束されますが、マイクはそんなことを知らず、いつかけても留守電の親友の携帯に不審の念を抱きつつ、商売に励みます。
マイクはマリファナ専門で、最も人気のある劇薬、トゥエルブを扱おうとしません。
マイクの商売仲間の黒人が、マイクが仲介した者にだけトゥエルブを売りますが、いくらお金持ちの子弟とはいえ、そこは高校生。
お小遣いには限度があります。
トゥエルブ欲しさにパーティの最中、黒人の売人に身を売る女子高生まで現れます。
読者モデルをやっているイケメン。
少年更生施設から脱出してきた少年と、優等生の弟。
高校一の美少女で、多くの男を手玉に取る女子高生。
その取り巻きの女子たち。
マイクに密かに思いを寄せる少女。
じつに多くの少年少女たちのそれぞれの孤独と闇が描かれます。
そしてあるドラッグ・パーティーの夜、更生施設から脱出してきた少年による無差別殺人が起き、パーティは悲劇的結末を迎えます。
射殺される瞬間、高校一の美少女が、「これで新学期の話題を独占できる」というつぶやきは、上流家庭に生まれた子弟の虚飾を暗示していて、あまりにも哀切です。
17歳の作者によって書かれたという上流家庭の高校生たちの華やかで暗い青春。
そもそも青春時代というものはどこか暗いものですが、家庭が裕福なだけに、その暗さは現実生活のそれとはかけ離れた精神の暗闘を示していて、涙なしには見られませんでした。
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スティーブン・フィアーバーグ,ニック・マクドネル,ジョーダン・メラメッド | |
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