トンデモドクター、映画版

映画

 トンデモドクター・伊良部医師の活躍を描いた連作短編集については、以前このブログで紹介しました。

イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田 英朗
文藝春秋

 今日はその映画版をDVDで鑑賞しました。

 「イン・ザ・プール」です。

イン・ザ・プール [DVD]
三木聡,奥田英朗
ポニーキャニオン

 原作のイメージとはかなり違っていて、少々面食らいますが、原作と映画で、映画のほうが優れているということは滅多にありませんから、そこは差し引いて考えなくてはいけませんね。

 映画は、水泳依存症の男を描いた「イン・ザ・プール」と、陰茎強直症と言う珍しい症例の「勃ちっ放し」、それに確認恐怖症のルポライターを主人公にした「いてもたっても」の3つの短編をうまく絡み合わせた作りになっています。

 まず戸惑うのは伊良部医師の容貌。
 原作ではデブで子供っぽい、天真爛漫なおバカさんという感じでしたが、映画では毛深くてヒゲ面でいやらしそうな不気味なおじさん、という感じでした。
 原作で感じられた可愛らしさはなく、ひたすら気味悪い感じでした。

 これは小説をバラバラに分解して新たに組み立てた物語と呼ぶべきでしょう。
 それは多くの原作と映画の関係と変わりません。

 コメディとしてどうかと問われると、私はあまり笑えませんでした。
 松尾スズキ演じる伊良部医師が男の私から見ても気持ち悪くて、正視に堪えないのですよ。

 不気味なコメディを観たいという方にはお勧めかもしれません。