キリスト教国家の多くで、かつて同性愛を神の教えに背くものとして、罰していました。
なかでも苛烈を極めたのは、ナチス政権下のドイツでしょう。
ドイツ刑法175条は、以下のように定めています。
男子間又は人獣間に於てなしたる天理に背く猥褻の行為にありては禁錮を以て処刑せらるるものとす。其他公権剥奪を言渡さるることあり。
ワイマール憲法下のドイツではこの法律はほとんど無視され、男性も女性も同性愛者は堂々と暮らしていました。
しかしナチが政権を握ると、社会に害を与えるとして、男性同愛者を収容所に強制連行し、虐殺したり、強制的に去勢したりしました。
女性同性愛者は矯正可能とみなされ、矯正措置=強姦が行われ、妊娠・出産を求められました。
この悪法が廃止されたのは東西ドイツ統一後、1994年だったというから驚きです。
米国に至っては、2003年に連邦最高裁判所で違憲判決が出るまで、ソドミー法という肛門を使った性交を犯罪とする法律が多くの州で施行されていました。
要するに男女間であっても肛門では生殖行為にならず、神の教えに反するということのようです。
それなら自慰行為に耽ったり、オーラルセックスを楽しんだり、コンドームを使ったり、ピルを飲んだりするのも犯罪でしょうか。
同性愛については、伝染病だとする説や、精神病だとする説が横行し、わが国においても明治の近代化以降、同性愛差別が厳しくなりましたね。
江戸時代以前は同性愛は嗜みの一つだったのに。
現在は性的嗜好で人を差別してはならないことになっていますが、ことはそう単純ではありますまい。
例えばイランでは、今も男性同性愛行為は死刑で、現に多数執行されています。
イスラム諸国は総じて同性愛に厳しいようです。
また、今日本で厳しいのは小児愛でしょう。
児童ポルノは表向きなくなりました。
アンダーグラウンドではまだまだ存在するようですが。
しかし小児愛者であっても、妄想や官能小説の類で欲求を満足させているかぎり、これを差別してはいけません。
それと、激しいSM。
これは死ぬほど激しくやりたいSとやられたいMがいるから驚きです。
村上龍の「コックサッカーブルース」は、疾走感のある文体でハードSMを描いて秀逸です。
ドラゴン・ツリー・フェスティバルというVIPばかりが参加する謎めいた組織に関わりを持ってしまった男の悲喜劇ですが、こういう組織、本当にありそうで怖いですね。
絵描きでは伊藤晴雨の責め絵が有名ですね。身重の妻を逆さづりにして絵を描いた、という凄絶な逸話も残っています。
SMの場合、多くは大人同士が合意の元に行うので、それほど罪ではありませんが、一歩間違えると快楽殺人にまでいってしまうのが怖ろしいところです。。
日本は伝統的に性的禁忌が極めて少ない国です。
キリスト教やイスラム教の悪しき習慣に染まらず、日本伝統の色道を大事にしたいものです。
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