今宵はじつに斬新で興味深いノルウェー産のホラーを鑑賞しました。
そもそもホラーというジャンルにくくっていいものか、迷います。
映像はコミカルでいて色彩感覚が美的。
連続殺人・死者復活(ゾンビ)・マッドサイエンティストなど、様々な要素を織り交ぜながら、怒涛のラストに向かって突き進みます。
ノルウェーの美しくも寒々しい風景がさらにこの映画を盛り上げます。
8つのホラー映画際で大賞を総なめにしたという問題作、「ドリル・マーダーズ」です。
まずは予告編をご覧ください。
音楽家、ヨーブンのもとに、警察から電話があります。
娘が遺体で発見された、と。
しかし娘はついさっき帰宅したばかり。
娘の様子を見に行くと、反応がなく、顔の皮膚は黒くただれ、真っ黒い反吐を吐いています。
病院に連れて行くヨーブン。
しかし医師にも何がなんだかわかりません。
娘はジョギング中、森でオレンジのつなぎを着てマスクをした男に襲われ、頭蓋骨をドリルで掘られていたのです。
医師の見立てでは、天才的な技術で脳に損傷を与えないようにドリルを使い、何らかのウィルス性の液体を流し込まれたのではないか、というのです。
しばらく仮死状態になった後、蘇生したと考えられる、と。
しかも同じような事件がその後30件以上も発生します。
無反応で真っ黒い反吐をはいてばかりいる娘を看病しながら、ヨーブンは警察なんぞあてにならんとばかり、1人、捜査を始めます。
そして北海油田で石油を採掘していた工場に勤務する男が犯人であると確信し、工場に乗り込みます。
そして工場全体が、マッドサイエンティストが支配する犯罪の温床であることを突き止めます。
腹の突き出た初老の音楽家、ヨーブンが、じつにコミカルなアクションを見せつけます。
そしてどこか滑稽なマッドサイエンティストとその部下たち。
石油に依存する現代社会への風刺も感じさせつつ、あくまでエンターテイメントであろうとします。
コアなホラー・ファンである私から見ても、狂気じみていながらどこか滑稽な、斬新な映画であると思います。
もしかしたら長く語り継がれるホラーの分岐点のような作品かもしれません。
ただし、観客を選ぶというか、好悪が分かれる作品ではあろうと思います。
もちろん私は、子どもがおとぎ話に聞き入るように、存分に楽しみました。
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