ナチの子孫

社会・政治

 中韓はわが国の戦前戦中の罪をいまだに言いたて、ナチと同じような犯罪国家に仕立て上げようとしています。
 さらに、戦後のドイツが謝罪し続けているのに、わが国はそうではないと非難します。

 しかしそれはお門違いというもの。

 わが国は当時多数存在していた帝国主義国家の一員として、帝国主義国家としては普通の、当たり前の戦争を戦ったまでのこと。

 ナチのように、ある民族を計画的に国家ぐるみで抹殺しようとしたことなどありません。

 中学生の頃、ドイツはヒトラーナチ党が、イタリアはムッソリーニファシスト党が独裁し、わが国は軍部が独裁した、と教わりました。

 長じて、それは嘘であったことを知りました。

 大体独裁というからには独裁者や党が必要で、軍部という漠然としたものが独裁を行うことは不可能です。

 陸軍と海軍では意見が異なっていたし、陸軍も一枚岩ではありませんでした。

 また、戦争中も赤尾敏のように大政翼賛会に属さず、戦争に反対し続けた議員も少数ですが存在していました。

 大日本帝国は戦争中も英米と同じ程度には民主的であったと言えるでしょう。

 最近、ナチの幹部の子や孫がその後どんな人生を送ったかを追ったドキュメンタリーを見る機会に恵まれました。

 ヒトラーは自殺する数日前にエヴァ・ブラウンと結婚しますが、それまでは独身であったため、子孫はいません。
 また、宣伝大臣だったゲッペルスは敗戦を覚悟し、一家心中してしまったため、子孫は残りませんでした。

 空軍元帥のゲーリングは、ニュールンベルク裁判でナチの正当性を堂々と訴え、処刑される直前に奥歯に仕込んだ青酸カリを噛んで自殺し、連合軍の鼻を明かしました。

 ゲーリングの親族は長く差別に苦しみ、ゲーリングの血を絶やすべく、不妊手術を受けてしまいます。

 なんとも切ない話です。

 祖父のせいで、差別され、謝罪するばかりの人生をおくり、あまつさえ不妊手術を受けるとは。

 副総統のヘスの子孫は、逆に血や遺伝子に悪があると認めることは、ナチがユダヤ人という血を差別したのと同じ発想であると批判しました。

 SS長官、ヒムラーの娘は父親が批判されることに耐えられず、ヒムラー及びナチズムを擁護し続け、ネオ・ナチや英国のファシスト団体に祭り上げられたりしますが、うまくいかず、辛い人生をおくりました。

 ヒトラーの後継者、ボルマンの息子は、ナチが否定したキリスト教に帰依し、神父になってしまいます。
 そしてナチの罪を啓発する運動などを起こします。

 番組で、若いユダヤ人がナチ幹部の子孫たちを罵るのに対し、アウシュビッツ収容所の生き残りだという老人は、さぞつらい目に会っただろうと思いますが、ナチ幹部の子孫たちに、「君たちには何の罪も無い。遺伝や血統で人を判断することは間違っている。堂々と生きてください」と語りかけるシーンはなかなか感動的でしたねぇ。

 韓国で90歳を過ぎた老人が、「日本統治時代はみるみる生活が良くなり、悪い面ばかりではなかった」と発言したところ、若い韓国人が激高し、老人を殴り殺してしまったそうです。

 怖ろしや。

 もっと怖ろしいのは、韓国世論は殺人犯である若者に同情的で、寛大な処罰を望んでいるということです。

 わが国と韓国の過去の関係性に関しては、韓国には言論の自由は無いようです。

 拓殖大学教授で韓国で生まれ育ちながら母国の言論空間に嫌気がさしたのか、日本に帰化した呉善花先生は、歴史認識が親日的であるためか、韓国への入国を何度も拒否されています。

私は、いかにして「日本信徒」となったか (WAC BUNKO)
呉善花
ワック


やっかいな隣人 韓国の正体 なぜ「反日」なのに、日本に憧れるのか (祥伝社黄金文庫)
井沢元彦 呉善花
祥伝社

 いずこもその時代の空気を肌で知っている世代のほうが、偏見なく物事を見られるようです。

 かつて公民権運動の指導者のキング牧師が、I Have a Dreamという名演説のなかで、肌の色や人種で差別されることが無い世の中の実現を求めました。

 ナチ幹部の子孫を非難することは、血統を元にした差別であり、許されません。
 また、親日的考えを持つ韓国人を差別することも、思想信条の自由の観点から、許されません。

 キング牧師が演説してからもう50年たってしまいました。

 今もなお、民族対立、人種差別、人権蹂躙などが、世界各地で行われています。

 これを根絶することがいかに難しいかを思い知らされます。
 しかし、少しずつではあっても、差別は減ってきています。

 かつては黒人を奴隷として使役していた米国でも、現在、建前では、黒人を差別してはいけないことになり、黒人と白人の混血の大統領が誕生するにいたりました。

 結局は教育により、寛容の精神や他人を尊重することの大切さを根気強く教えて行くしかないようです。

 しかしそれは、気が遠くなるような長い道のりであることでしょう。

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