雪だとばかり思って休暇を取ったのに、結局一日雨のようです。
埼玉や東京都下は降っているようですが。
貴重な年休を無駄にしたようです。
でもまぁ、明日以降の出勤のことを考えれば降らないに超したことはありません。
で、またもやDVD鑑賞です。
「バスターズ」を観ました。
高校でいじめられている5人の少年少女がいじめっ子達に復讐するお話です。
ホラーのようでいて、社会派のようでもあります。
いじめられている5人はいじめっ子達を森の中の一軒屋で開かれる仮装パーティに誘き寄せ、酒に睡眠薬を混ぜて全員昏睡状態にし、その間に手錠などで身動きできなくします。
目が覚めたところでいじめの中心的人物だった者数名に、それはやり過ぎだろう、という罰を与えます。
まず、良い知らせと悪い知らせが告げられます。
良い知らせは殺さないこと、悪い知らせは殺されたほうが良かったと感じるような罰を与えること。
少女の顔に酸が入ったクリームを塗りたくり、二目と見られない顔にしたり、アメフト選手の脊髄に損傷を与えて一生車椅子で過ごさざるを得ないようにしたり。
そこに、本来招待していなかったいじめとは無縁の黒人の少年が紛れ込み、いじめられっ子同士で黒人少年をどうするかで内輪もめになったり、ベトナム戦争帰りの老人が絡んできたりしますが、基本的にはいじめられっ子がいじめっ子を罵り、苦痛を与えるという場面が続きます。
しかもいじめられっ子たちはそれをネット中継し、それを世界に配信することで、歴史的な夜、と呼びます。
十分復讐を果たしたところでいじめられっ子たちは全員自殺。
いじめっ子のうち数名は生涯消えない傷を負いますが、多くの付和雷同していただけの連中は恐怖の一夜を過ごしただけで、傷を負うことなく解放されます。
いじめられた経験がある人はすかっとするかもしれませんね。
でも私は、小学校4年生頃まではどちらかというといじめっ子でしたね。
さすがに小学校高学年からはそんなくだらないことはしなくなりましたが。
なので、この映画、身につまされます。
私は復讐されるほうなんだろうなと思いまして。
ただ中年になってからパワー・ハラスメントに苦しめられたので、あのじじいの顔を思い浮かべると、この復讐劇がそれほど過激には思えなくなるから不思議です。
加害者は忘れても被害者は忘れないということなんでしょうね。
世に差別意識や偏見が全く無い人はいないと思いますが、自分は差別意識や偏見を持っていないと信じ込んでいる人はけっこういるんじゃないかと思います。
パワハラじじいもそんなことを言って言い訳していましたっけ。
そう信じ込むことがそもそも差別や偏見を助長するということに気付いていないのだから手に負えません。
そう信じてしまったら、自分の中に在る差別意識や偏見に気付かなくなってしまい、反省するということが不可能になります。
自分を疑うことを知らない誇大妄想狂みたいなものです。
差別や偏見という意識は、裏を返せば同族や友人への愛情ということになりましょう。
異質なものを受け付けない同胞意識が差別や偏見の根底にあるはずで、これがなければ社会的生物である人間は生きていけなくなります。
そういう意味では生きるうえで必要なものです。
ただ、それをあからさまにしてはいけないというルールは守らなければいけません。
気持ち悪い、いけ好かないやつだと思ってもそれを口に出してはいけませんし、まして手を出すことなど子どもでも許されません。
差別意識や偏見を持つなというのは不可能なので、それらに基づいたいじめや差別的言動だけは絶対に止めないと自分が損するように今の世の中出来てるよ、ということを子供達に教育すべきでしょうねぇ。
もう手遅れだとは思いましたが、パワハラじじいには弁護士を通じて私が教育をほどこしてやりました。
効果はなかったようですが。
大体江戸時代までは制度として身分制度があり、身分を弁えた行動が求められたわけで、この先価値観がどう変化するかわかりません。
本心なんて誰にもわかりませんから。
外面を整えておけば問題は起きません。
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