フクシマ50

社会・政治

 欧米のメディアでは、福島原発で冷却などにあたる東京電力他の社員をフクシマ50と呼んで讃えているそうですね。
 中国では50勇士と呼んでいるとか。
 その他、被災者の冷静な態度が賞賛されています。

 それに比較し、民主党政権の無為無策ぶりが叩かれているそうです。

 私の知り合いは某大学病院に勤めていますが、医師や看護師、事務職員が交代で被災地に向かい、医療行為を行ったり、不足している医薬品などを届けて回っています。
 また、大学病院内に震災対策本部を設け、逐次被災地の情報を収集し、何が足りないのか、どんな人員が必要かを把握して届けています。
 これは千葉県知事からの要請によるもので、通行止めの高速道路を通るための巨大な許可証をトラックに目立つように貼り付け、がらがらの高速道路をすっ飛ばして、被災地と総合病院を何度も往復しているそうです。

 そこの医師が言っていたのは、様々な省庁や、政府にいくつもある対策本部からばらばらに指示がくるため、結局どこの指示にも従わず、病院独自の判断で活動しているそうです。

 それではまるで頭脳が死んで手足が勝手に良かれと思う動きをしているようなもの。
 救援活動の効果も半減するというものです。
 報道されませんが、各地の病院や消防、警察などが要請を受けて、あるいは自発的に、被災地に向かっています。

 こうした地道な努力の継続こそが、復興を実効あるものにするのでしょう。

 大学病院に勤める知り合いは事務職員ですが、この三連休、大学病院内部に設置された震災対策本部に詰めていたそうです。
 若手の男性事務職員は交代で医師らとともに被災地に向かい、げっそりやつれて帰ってくると聞きました。
 知り合いは女性のため、被災地に向かう要員には指名されなかったそうです。

 事務職員と違い、若手の医師は被災地で生き生きと診察し、大学病院に帰ってくると「現場はいいねぇ」などと不謹慎なことを言いながら、疲れた様子を見せず日常の診療行為に戻って行くとか。
 事務職員とは使命感も違えば体力も違うのでしょう。

 フクシマ50に限らず、全国各地のこうした震災復興に尽力する人々に深い敬意を覚えます。

 しかし私自身は、そのような要請が来ても受けることはできません。
 長い精神障害のせいで、他人の苦痛や悲しみに感応してしまい、使い物にならないのです。
 六本木の偏奇館から下町が空襲で焼けるさまをうっとりと眺めていたという永井荷風のような気分がして仕方ないのです。

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