昨夜、「ブラック・ダリア」を観ました。
1940年代後半のL.A.を舞台にした本格的サスペンスです。
ファイアーとアイスと呼ばれる元ボクサーの刑事コンビが、女優を夢見る少々おつむの弱い若い女性の無残な死の謎を追います。
遺体は口が耳まで裂け、内臓が抜かれていたのです。
捜査中、アイスの前に被害者とうり二つの富豪の娘が現れます。
アイスは富豪の娘にのめり込んでいきます。
アイスはかつて有名なボクサーだったことから、娘の家族に紹介されます。娘の母親はヤク中で、妹は卑猥な絵ばかり描く変わり者です。
富豪一家の闇、ファイアーの秘密、ファイアーがかつて逮捕した男の釈放、二重三重の謎が、複雑な人間相関図と絡み合って、もうわけが分からなくなります。
ストーリーとタイトルからは、もっと退嬰的な、雰囲気のある映画かと思ったのですが、どこか突き抜けた明るさがあるのはなぜでしょう
子どもの頃から感じていたのですが、シャーロック・ホームズとかアガサ・クリスティとか、本格的な謎解きの殺人劇というのは、謎を解くのが前面に押し出されて、恐怖や暗い美しさなどが際立たないように思います。
同じ殺人劇でも、本格的サスペンス映画とホラー映画では、まるっきり違うのだな、と実感しました。
「ブラック・ダリア」は明らかに前者です。
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