プラージュ

文学

 今日は職場が電気設備点検のため、臨時のお休み。
 3連休になりましたが、体調が悪く、ほぼ引きこもりです。

 で、小説を読みました。

 「プラージュ」という作品です。

プラージュ (幻冬舎文庫)
誉田 哲也
幻冬舎

 一階が昼は定食屋、夜が飲み屋になる飲食店で、その名前がプラージュ。
 二階は7部屋あるシェアハウスになっています。

 このシェアハウス、ちょっと変わっています。
 住民は全員前科者。
 そして、部屋にドアはなく、カーテンがあるだけです。

 ここでの様々な出来事を描いた、一種の人情喜劇のような印象ですが、ラストは衝撃的です。

 前科者がなかなか社会に受け入れられずに苦しむ姿が、乾いた印象で語られます。

 犯罪を犯した過去はかえられないとしても、罪を償い、再スタートをきろうとしている人々への差別は許されるのか、と鋭く問いかけます。

 ちなみにプラージュとはフランス語で海辺のこと。

 海と陸地の狭間に、犯罪者との社会との断絶を象徴させているようです。

 本来重くなるテーマを、読みやすくて面白いエンターテイメントに仕上げた技量はたいしたものだと思います。