タランティーノのホラー「ホステル」と「ホステル2」をDVDで一気に観ました。
さすがにタランティーノ、ホラーといえども格調高く、しかも面白い。文句なしです。
スロバキアのある町では、ホステルに宿泊したバックパッカーを誘拐し、大金をとって快楽殺人をさせる施設があります。そのホステルに宿泊した若者たちの恐怖と悲劇を描いています。
第1作では、そのシステムが描かれず、誘拐され、サイコ・キラーの餌食になる若者たちの視点からのみ物語が進行するため、わけも分からない恐怖を感じます。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や、「レック」、「クラーバーフィールド」を彷彿とさせます。これは怖がりたい人向けです。
第2作は、被害者・快楽殺人者・快楽殺人を提供する組織の3者の視点から描かれ、第1作ではほのめかされるだけだった全容が明らかになります。第2作では、恐怖や人間の獣性だけでなく、利益のためにシステマティックに組織を運営する関係者の冷酷さや金銭欲への怖ろしい執着が描かれ、第1作以上に人間性というものが深く描かれている、と感じました。映像も美しく、随所に流れるスロバキア民謡や壮大なシンフォニーが効果的でした。舞台が東ヨーロッパの田舎町ということもあって、サド侯爵の文学をも彷彿とさせる、幻想的な名作です。
ただし、両作とも18禁ですので、良い子のみんなは18になるまで我慢してください。

