今日は快晴ながら北風が冷たく、いかにも関東の冬らしい寒い一日でした。
外に出る気が起きず、かねて借りてあったDVDを鑑賞しました。
「恐怖ノ黒洋館」です。
おどろおどろしいタイトルですが、ホラー映画と呼ぶには無理があります。
恐怖心をあおるような演出もなく、ストーリーも怖しい話ではありません。
むしろゴシック・ロマンとか文芸作品の系譜に連なるものと感じました。
![]() | 恐怖ノ黒洋館 DVD |
アーロン・プール,ヴァネッサ・レッドグレーヴ,アン・リッチングス | |
松竹 |
![]() | 恐怖ノ黒洋館 Blu-ray |
アーロン・プール,ヴァネッサ・レッドグレーヴ,アン・リッチングス | |
松竹 |
キリスト教系のカルト教団に属し、天使を崇拝する両親のもとに生まれたレオン。
しかし父親が自殺してから心を閉ざし、母親をも忌み嫌い、ついに無神論者となって家を出、母親と断絶します。
それでも母親はいつか息子が帰ると信じながら、はかなくなってしまいました。
母親の葬儀にも出ず、誰もいなくなった古い洋館に帰り、遺品整理などをするレオン。
そこに今は亡き母親の独白がかぶさります。
もちろんレオンに聞こえてはいませんが。
一夜、レオンは悪夢とも現実ともつかない不思議な経験をした後、洋館も、家具も、すべてを売り払うことに決め、再び旅立っていくという幻想的ながら退屈な映画です。
電話で知人や恋人と話す以外、レオンの一人芝居と母親の独白のみで構成されていて、邦題は失敗だったと思います。
かつて「恐怖ノ黒電話」という映画があり、こちらは震え上がるほど怖しい、タイム・トラベルを交えた恐怖映画でした。
![]() | 恐怖ノ黒電話 [DVD] |
ラシェル・ルフェーブル,スティーヴン・モイヤー | |
松竹 |
なんだかそれにあやかろうとしているように感じます。
ホラー映画としてではなく、母と息子の葛藤を描いた人間ドラマとして観れば、興味深い作品かもしれません。
恐怖を期待する方にはお勧めできません。