ホーキング博士が英国の某誌のインタビューで、天国も死後の世界も存在しない、と断言したとのニュースを見ました。
見て来たような嘘を言い、とか言いますが、ホーキング博士のそれは見てきたような嘘か、見てきたような真か、どちらなんでしょうねぇ。
どちらにしても、それ言っちゃおしまいよ的な、野暮な発言ではあります。
人間は古来死後の世界を様々に思い描き、今も宗教や文学、哲学などで描き続けています。
そのような人間本来の祈りとも欲求とも言うべき死後の世界の存在に対する願望を、おのれの信念だけで存在しないと断言するなど、傲慢の謗りを免れません。
ホーキング博士が教会と折り合いが悪いのも当然でしょう。
正しい答えは、天国や死後の世界が存在するかどうかわからない、ということでしょう。
ついでに言えば、わかりようがないことには口出しせず、黙っていればいいのです。
闇の世界を怖れる人のおとぎ話、とまで言ったとか。
死後の世界や天国を存在しないと断言することは、闇を怖れることを知らない無鉄砲な人のおとぎ話というべきでしょう。
要するに存在の証明も存在しないことの証明もできない頼りない話。
ただ私は、死後の存在については、人間が様々な宗教をひねり出し、芸術作品のモチーフにし、哲学で語ってきたという事実を見れば、それが物理的に実在するかどうかはともかく、この世に存在すると思っています。
あの世ではなく、この世。
この現世にこそ、死後の世界は様々な形態をとって存在し続けていると言えるでしょう。