お昼休みには消費税増税の話でひどくネガティブな記事をアップしてしまいました。
で、最近米国でポジティブ心理学と呼ばれる分野が流行していることを知りました。
平たく言うと、成功すると幸福になる、のではなく、幸福な状態だと成功する、という逆転の発想を体系化したもののようです。
四半世紀も前、英国のコリン・ウィルソンが提唱した「至高体験」との類似が感じられますが、ポジティブ心理学では幸福な状態に脳を持っていく具体的な技法を開発したことが特徴でしょうか。
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Colin Wilson,由良 君美,四方田 犬彦 | |
河出書房新社 |
ポジティブ心理学の研究で、
① ありがたいと感じる3つのよいことを書き残す
② 自分と関わる誰かにポジティブなメッセージを書いて渡す
③ 机の前で2分間の瞑想をする
④ 10分間のエクササイズをする
⑤ 24時間で最も意義深い経験を2分間で日記に書く
などが有効であることが判明しているそうです。
さらに、最も脳に幸福感をもたらす方法として、非常にシンプルな方法を提唱しています。
すなわち、人助け。
ポジティブ心理学の創始者の一人である米・ミシガン大学教授のクリストファー・ピーターソン博士は、ポジティブ心理学のエッセンスを一言で表すと、The other is matter、であるそうです。
つまり、他者のことが重要である、ということです。
他者との関係性が幸福感に高く相関することがわかっているということですね。
当たり前のような気がしますが。
20世紀初頭に、E・メイヨー、レスリーバーガーらがホーソーン実験というのを行って、作業の効率化には人間関係が良好であることが非常に重要である、との「人間関係論」なる論文を発表し、欧米人はびっくり仰天したと伝えられますが、日本人ならはるか昔から子どもでも知っている当たり前のことです。
![]() | メイヨー=レスリスバーガー: 人間関係論 (経営学史叢書) |
経営学史学会 | |
文眞堂 |
してみると、ポジティブ心理学なんて大仰な名前を付けてはいますが、我々日本人にとっては誰もが知っている当たり前のことを体系付けただけのような気がします。
そうは言っても脳を幸福にするための上の5つの技法、試してみようかと思います。
何事も否定的に捉え、憂愁の世界に生きている私が、少しでも幸福になれるのであれば、たいへん結構なことですから。
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