私が勤務している研究機関によく来ていたポスト・ドクターが突然死した、との報に触れました。
ポスト・ドクターとは、博士号は持っているが、常勤の職に就いていない研究者のことです。
今、日本中に浪人とも言うべきポスト・ドクターがあふれかえっています。
博士号の大安売りをするからでしょうね。
この人、私が勤務する研究機関が所蔵する資料を使って論文を書き、よく紀要に投稿していました。
今、編集中の紀要にも投稿したので、遺稿ということになってしまいました。
年はおそらく30代後半。
礼儀正しくて大人しい人でした。
一人暮らしをしていたそうで、親が訪ねて行ったら亡くなっていたそうです。
そのため、正確な死亡日時も分かりません。
死因は教えてもらえませんでしたが、突然死ということですから、おそらくは脳梗塞か心筋梗塞ではないでしょうか。
私よりも10歳以上若い、これからの研究者が亡くなるとは、なんともやり切れません。
今は70歳過ぎても元気な人がたくさんいます。
なかには100歳を過ぎても元気な人も。
でも確実に、若くして亡くなる人や健康を害する人が一定数いるのですよねぇ。
去年は一つ下の後輩が突然死しました。
そう思うと、定年まで元気に働けるか、心もとないかぎりです。
そもそも60歳までは働けるだろう、という前提が間違っています。
まして65歳への定年延長なんて。
人によって寿命はバラバラだし、健康状態も様々だし、体力だって異なります。
私の先輩に、定年まで3週間という時期に突然死した人がいます。
もうじき引退して悠悠自適という時に、さぞかし悔しかったことでしょう。
定年という考え方をなくし、辞める人は40歳でも辞めればいいし、働きたい人はいつまででも働けるようにしたほうが良いでしょう。
これまで何人も、定年前に亡くなる人をみてきました。
脳梗塞などの突然死、がん、自殺などなど。
そう考えると、人間の一生なんて儚いものですね。
最近、体力の衰えを強く感じます。
フルタイムで働くことが、きつくなってきました。
夕方になると、ひどく疲れます。
40過ぎると、個人差が激しくなってくるのでしょうね。
今この状態で、これから10年以上働けるのか不安です。
もっとも、休日には出かけても歩き回ってもさほど疲労は感じないので、例えデスクワークといえども、働くということはよほど体力を消耗するようです。
元気で長生きした人が、40代後半なんてまだまだ若い、と言うのは誤りだと思います。
その人が体力に恵まれていただけのこと。
健康や体力に恵まれない人はたくさんいます。
四十、五十は洟垂れ小僧、六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら、百まで待てと追い返せ、
と言ったのは誰でしたか。
明らかに人間の実際からしたら間違った言い様ですが、そんな風に長生きできたら、という切ない願望が、ユーモアあふれる言葉の裏に隠されているような気がします。
一方、人間(じんかん)五十年、とか申します。
人間界にいられるのは五十年程度、というのが昔は当たり前だったのでしょう。
仕事はなるべく手抜きをして、体力の消耗を防がないといけないなと、痛感します。
同時に、健康維持に気を付けないといけませんね。
引退後を楽しく過ごすためにも。
まぁ、引退なんてまだまだ先ですけれども。