ポゼッション

映画

 本日2本目のDVD鑑賞は、悪魔憑きの映画「ポゼッション」です。



 私は様々なホラー映画を鑑賞し、その中には悪魔憑きの映画も多数ありましたが、それはことごとくキリスト教の、それもカソリックを題材にしたものでした。

 ところが「ポゼッション」は、ユダヤ教の悪魔が憑き、ユダヤ教のラビが悪魔祓いをするという珍しいものでした。

 実話を基にしているということでしたが、それにしては面白く出来ていました。

 一般に悪魔憑きの映画というと、「エクソシスト」が最高傑作とされていますが、私は実話を忠実に再現したとされる「エミリー・ローズ」のほうが興味深く感じられました。
 「エクソシスト」のように頭が360度回ったり緑の反吐をはいたりするシーンは皆無で、ひたすら自分が自分でなくなり、狂気に襲われる少女の怖れと戸惑いを描いた映画で、当然、病院では統合失調症と診断されます。

 しかし病院では良くならないと実感した両親が悪魔祓いを頼み、結局は悲劇的な結末を迎えます。


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エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]
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ワーナー・ホーム・ビデオ

 世界中で憑き物が憑くという現象が昔も今もみられます。
 その民族の文化によって、悪魔憑きと呼ばれたり狐憑きと呼ばれたり。

 呼び方はどうあれ、同じ現象だと思われます。

 憑き物が憑くと言う現象、大体において少年少女に多く見られます。
 偶然の一致か、統合失調症の発症も10代後半から20代前半が多いと聞き及びます。
 また、いわゆるポルター・ガイストと呼ばれる現象も、思春期の少年少女が住まう家で多く見られるそうです。

 憑き物が憑いた場合、昔であれば悪魔祓いや除霊などを行い、現代では精神科に入院して投薬治療を行うのが一般的です。

 悪魔祓いだろうと精神病薬だろうと、元の状態に戻ればどっちだって構いませんが、重度な憑き物の場合、悪魔祓いも除霊も投薬も、大した効き目は無いようです。

 結局は昔であれば座敷牢、現代であれば精神病院の閉鎖病棟に閉じ込められることになるしかありません。

 人間精神の不思議としか言い様がありません。


 ある少女がガッレジ・セールでアンティークの木箱を手に入れます。
 少女はそれを大層気に入りますが、その箱を手に入れてから、少女は少しづつ、おかしくなっていきます。

 両親の離婚直後ということもあり、家庭環境の変化がその理由だと周囲は考えますが、木箱への異常な執着をみた父親が、インターネットで調べたり知り合いの大学教授に教えられて、ユダヤ教の悪魔を封じ込めた木箱だと突き止め、ラビに頼んで悪魔祓いをするというお話。

 単純なお話ですが、離婚したばかりの元妻、二人の娘、元妻と付き合い始めた歯医者、職場での昇任など、複雑な生活環境のなか、父親が率先して娘を救うために奔走する姿が描かれ、あまりの仕事人間ぶりに愛想をつかした元妻が惚れ直し、少女の悪魔も祓われる、という家族の再生を描いた物語でもあります。

 もちろん、ホラー映画の常として、ラスト、木箱を処分しようとしたラビが事故死し、木箱は無造作に路上に放り出される、という、次につながる用意はしてあります。

 ユダヤ教の悪魔祓いという珍しさも手伝って、予想以上に見応えのある作品に仕上がっています。

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