昨夜はサッポロビール園で私が復職するきっかけとなった千葉障害者職業センターで受けたリワーク・プログラムでご一緒させていただいた友人ら5人とジンギスカンを喰らいました。
もっとも胃が小さくなってしまった私は、肉はほんの三切れほどしか食えず、ビールも腹が張るので一杯だけ。
ひとり、野菜をつまみにウィスキーのロックを飲んでいました。
リワーク・プログラムを卒業して職場復帰してから約二年半。
私は今のところ順調です。
昨夜飲んだ友人たちもおおむね順調なようですが、音信不通になってしまった人、障害者年金で暮らしている人、転職を余儀なくされた人、様々です。
リワーク・プログラムではやたらとはしゃいでいたような人が、復職後すぐにダウンして、そのまま退職に追い込まれたという話も聞きました。
精神障害を克服するには、服薬・休養がまずは第一ですが、ある程度回復したなら、散歩などの軽い運動、新聞を熟読するなどの頭の体操、そして最終段階としてリワーク・プログラムなどの社会資源を活用した職場復帰のための訓練が不可欠です。
しかしそこまで行っても、うまく行くとは限りません。
精神障害というもの、本当に厄介です。
わが国民は古来労働を美徳とし、勤勉であることを良しとしてきました。
だからこそ幕末の動乱を克服し、有色人種初の植民地を持つ帝国主義国家として国際社会の主要プレーヤーと成りえたわけですし、戦後の高度経済成長もまた然りと言えましょう。
しかし、労働には本来的な美徳などありはしません。
ありていに言えば、要するに衣食住を満たすための糧を得るためだけのもの。
労働が社会貢献につながるというのは嘘ではないでしょうが、そんなことを考えて働いている人などほとんどいはしないでしょう。
そう考えれば、なるべく楽で、得意なことで、しかも高給を得られる労働が最も求められます。
また、まるべく通勤時間が短いほうが良いでしょう。
通勤だけで疲れてしまってはやれません。
そういう意味では、車で30分という私の通勤時間は、首都圏に住む者としてはかなり楽なほうでしょう。
今は仕事も、そう難しくもなければ過重な量でもありません。
ただ、給料は泣けてくるほど安いですねぇ。
20年も働いて、ここ10年ばかりはほとんど給料が上がりません。
給与体系を表す級号俸は上がり続けていますが、級号俸の基本給そのものが下がり続けているのだからやれません。
私たち公的機関に勤める者の給料は、社会の景気動向に従って、1年遅れで上がったり下がったりします。
官民を比較して民の給料が上がれば人事院勧告によって官の給料も上がり、逆なら下がる仕組みだからです。
まことにモチベーションを維持するのが難しいシステムと言えます。
本人の働きよりも、世間の景気動向に左右されるわけですから。
するとどういうことが生じるか。
やらない者勝ちとでも言うべき状況が現出し、やる者に仕事が集中し、やる者は健康を害するという悪循環が生じます。
したがって私は、断るよりも受けてしまってとっとと片付けたほうが楽だ、という発病前の発想を捨て、なるべく仕事から逃げるように心がけています。
しかしそうは言っても持って生まれた性格はなかなか修正が難しく、押し付け合いになるとつい引き受けそうになり、いかんいかんと自分を律するようにしています。
この2年半、私は何事も感じないままにただ日々をやり過ごしてきました。
これから定年までの17年間も、何も感じずに生きていきたいと考えています。