今日はVE(Victory in Europe)デーですね。
ドイツが連合国に降伏し、ヨーロッパでの戦闘が終わった記念すべき日。
しかしドイツにとっては、屈辱の日以外の何物でもないでしょう。
そしてその後、わが大日本帝国は、世界を相手にたった一国で4か月も孤軍奮闘することになります。
それは絶望的な戦いであったことでしょう。
日独が軍事同盟を結んだ時、ヒトラーは、「我々は3,000年間負けたことがない大帝国と手を組んだ」と、小躍りして喜んだと伝えられます。
互いに勝ったり負けたりを繰り返してきたヨーロッパの一国としては、3,000年間負け知らずというのは神話的な奇跡に感じたのでしょうねぇ。
しかし、何事にも最初ということがあります。
大日本帝国は史上初めての敗北、それも大敗を喫することに相成ってしまいました。
誠に残念なことです。
結果的には負けて良かった、などという寝言をほざく輩がいますが、総力戦の結果の敗北がいかに悲惨であり、戦後日本の歩みが困難を極めたことを思えば、不謹慎な発言だと言わざるをえません。
VEデーの後、敗戦国ドイツのみならず、戦勝国も国土が荒廃し、人心は乱れ、復興に苦労しました。
また、イタリアにいたっては、戦争末期、連合国に降伏した後、昨日までの友軍であるドイツに宣戦布告するという離れ業を演じ、敗戦国でありながら戦勝国に名を連ねるという卑怯な挙に出ました。
未だにドイツの酒場などで老人が日本人を見かけると、「先に降伏してすまなかった。今度はイタ公抜きでやろう」などと話しかけてくるのもやむを得ない仕儀と言えましょう。
ヒトラーは部下の忠告を聞かず、律儀にイタリア軍に援軍を送り続け、それがドイツ軍にとってたいへんな負担になったそうですから。
戦争は自国の利益を守り、さらに拡大させるために行うものですが、結局総力戦を戦えば、勝っても負けても悲惨な目にあい、誰の利益にもならないことは明らかで、だからこそ外交努力によって武力衝突を避けるということが、死活的に重要になってきます。
二度の世界大戦の教訓を生かさなければなりますまい。