今日は定時ですっ飛んで帰ってかなりへヴィなホラーを鑑賞しました。
「ラブリー・モリー」です。
モリーはトラック運転手の夫と結婚して幸せな新婚生活を、両親が亡くなった家で始めます。
しかし、この家に問題があったのか、奇妙なことが立て続けに起きるのです。
モリーが精神を病んだのか、あるいは父親の死霊に取りつかれたのか、それは最後まで謎のままです。
モリーはかつて薬物中毒でしたが、今は立ち直り、清掃の仕事をしています。
夫との仲も良好だったのですが、しだいに忘れていた過去を思い出し、精神に変調をきたすようになります。
モリーとその姉は、父親から性的虐待を受けて育ったのでした。
そのことを思い出したモリーは、亡くなった父に怯えるようになります。
しかも、モリーは父の死霊から、父を殺したのはじつの姉だと聞かされます。
姉は幼い妹を守るためには仕方なかったのだと弁明しますが、父の死霊と一体化してしまったモリーに姉を許せるはずもありません。
ついには、父にとって娘を奪った憎い敵である夫を自ら殺してしまいます。
ここにいたって、モリーは精神的な病で亡き父と一体化したのか、あるいは父の死霊に取りつかれたのか、誰にも分からない状況に陥ります。
POVの手法と通常の撮影とを交互に繰り返すのは、分かりやすくもありますが、純粋なPOVに比べると緊張感が欠けているようにも感じます。
1970年代に流行した「エクソシスト」シリーズや「オーメン」シリーズに比べ、それが精神病なのか死霊のせいなのか判然とせず、より一層、恐怖を盛り上げます。
やや地味なホラーではありますが、そこには親による子への性的虐待と、それから立ち直ろうとして果たせない娘の葛藤が見事に描かれて、涙なしにはみられない名画に仕上がっているように感じました。
観て損はないホラー映画です。

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