レンタルチャイルド

社会・政治

 日本人は今年の夏は暑い暑いと騒ぎますが、世界には夏と真夏しかない国がたくさんありますね。
 40度を下回るとピクニック日和と呼ぶ国があるとか。
 日本では40度に届かなくても死人が続出しています。
 老人の孤独死とか児童虐待とか、福祉は今だ整備されていないようです。

 インドのある町に、レンタル・チャイルドと呼ばれる障害を持った子供たちがいるそうです。
 多くはマフィアによって赤ん坊の頃に手や足を切断され、あるいは目を潰され、物乞いに貸すのです。
 物乞いは、障害を持った子供を抱いて哀れを演出し、稼ぎをあげようとするのです。
 貧困ビジネス極まれり、といったところでしょうか。
 当然、子供が無事に成長することはめったにありません。
 しかし無事成長すると、マフィアの一員になるしか生きる道がないのは容易に想像がつきます。
 恐るべき負の連鎖。
 子供が成長すると、路上の悪魔と称される存在に変貌するそうです。

 インドは経済発展著しいとのことですが、貧しい者のその貧しさの度合いは、私たち日本人の想像を絶しています。
 こういう事実を知れば、インドの不可触民を救いたいと思うのは人情ですが、実際にはどうしてよいやらわかりません。
 貧しい人はあまりに多く、私にしてからが生活が楽というわけではありません。
 まともな暮らしがおくれない場合、生活保護という制度がありますが、圧倒的多数は少々貧乏でも生活保護を申請しない、という前提に立っています。
 富をうまく分配しつつ、労働意欲も失われない社会というのは、想像のなかでしか実現しえないかのごとくです。

レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち
石井 光太
新潮社


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