ロンドン暴動 その2

社会・政治

 8月8日にこのブログで、ロンドン暴動について私見を述べたところです。
 ところがその後、事態はますます悪化、逮捕者300人を超え、死者が出ないのが不思議なくらいです。

 今では日本でもよく聞かれるニートという言葉、これはそもそも英国の政府機関が1999年に使用し始めたものです。
 健康に問題がないのに就業も就学もしておらず、かつ、職業訓練や就職活動を行っていない若者、という意味ですが、こういうのは日本ではふらふら者とか遊び人とか穀つぶしとか言ったのですよねぇ。
 それがニートなんてカタカナ表記になると、それ自体が社会的に意味のある集団のように思えてくるから不思議です。

 このたびのロンドンをはじめとする英国の諸都市で発生した暴動、ニートが深く関わっているのではないか、という論評を目にしました。

 そもそもの発端は黒人青年を警察がどういう理由でか射殺したことに対する黒人や低所得者層の反発によるものですが、その後の暴動の広がりは、Face BookなどのSNSを媒介にしてニートが大量に参加したことが大きな理由であろうというのです。

 長引く不況により、税収の不足に苦しめられた英国政府は、社会保障や失業給付などの福祉に関連する予算を削減。
 仕事もない、福祉政策の恩恵に浴することもできないニートが、この機に乗じて不満を爆発させたのではないか、というのです。

 だとすると事態は深刻ですね。

 独裁に反対する暴動は、新政権を作って自由民主主義を導入すれば収まるでしょう。
 食糧不足に対する暴動は食糧援助などで当面なんとかなるでしょう。
 しかし長引く不況による景気の低迷が根本原因だとすると、これの回復は神の見えざる手による他ありますまい。
 政府がいくら景気刺激策を打っても、マーケットが反応しなければ、のれんに腕押し。
 キャメロン首相は苦しい局面に立たされましたね。


 ソニーの倉庫も焼かれたとか。
 ソニーの倉庫と知っての犯行か否かはわかりませんが、日本企業が狙われたのだとしたら、面白くありませんねぇ。

 
下はソニーの火災です。

 長期の不況に苦しめられているのは日本も同じ。
 日本人がいくら大人しいからといって、国民を甘く見ていると政府は痛い目を見ますよ。

 米騒動や日比谷焼き打ち事件、安保闘争や成田闘争など、日本人もいざとなったら暴力に訴えてきた歴史がありますからねぇ。

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