11月15日およびその周辺の土日には、神社やお寺などに出かけると、華やかに七五三を祝う親子連れを多数見かけますね。
子どものいない私にはまぶしい風景です。
元々は関東地方のみに見られた地方習俗だったそうですが、今は全国で行われています。
七つまでは神のうち、という言葉がありますね。
かつて栄養状態や衛生状態が劣悪だった頃、乳幼児死亡率が極めて高く、七つくらいまではいつ亡くなってもおかしくないと考えられ、七歳を超えればやっと成人するまで生きられる可能性が高くなった、と認められ、言わば神の世界から人間界にデビューするという意味合いがあったものと思われます。
三つや五つで祝うのは、七つまで生きて欲しいという切ない親心からでしょうねぇ。
一方、この時期は障害児などを間引く期間ともされ、時には口減らしのために健康な幼児を間引くこともあったようです。
少ない食糧で家族が生きていくためには仕方が無い側面があったとはいえ、現代社会では考えられない痛ましい風習です。
近頃では料亭やホテルの宴会場などで派手に宴会をやる家もあるようで、七五三の持つ意味は時代とともに変っていくものです。
私の甥は実家の寺で法要を営み、その後寺の座敷で近しい親族のみで小宴を行いました。
兄の長男である甥は跡取り息子。
両親にとっては初孫でもあり、力がはいっていましたね。
その甥ももう高校2年生。
水泳部に所属し、すっかりマッチョマンに変貌しています。
もちろん寺に生まれたからと言って僧侶にならなければいけないわけではないですが、収入のことや、この不景気の世の中を考えれば、とくにやりたい仕事が無い限り、寺を継ぐのが賢い選択でしょうね。
私は神の世界から人間界に堕落して36年。
総じて、思い通りにはいかないことばかりでしたねぇ。
今さら何かを成し遂げようとか、新しい道を切り拓こうとは思いません。
そう思うには、気力体力が衰えてしまいました。
ただせめて、心安らかに定年まで勤めたいものですねぇ。