今日は七夕ですね。
幼いころ、短冊に願い事を書いて竹にかけました。
私は小ずるいガキだったので、願うことがすべてかないますように、と書きました。
自分では頓知が効いたうまい書きようだと思ったのですが、先生にしかられました。
なぜかはわかりません。でもなんとなく、感じます。それ書いちゃおしまいよってことですね。
私はずるい幼児でした。先生を喜ばせようと、10円のガチャガチャで出てきた指輪を、「ダイヤモンド」と言って若い女の先生にプレゼントしたり。幼児のそういう行動は、大人を喜ばせると、知っていたのです。
また、幼児のくせにプライドの高かった私は、合奏をする際、先生から「とびお君はシンバル」と言われ、各々指定された楽器を音楽室から持ってくるよう指示されたのですが、シンバルって何だ?と思った私は、とりあえず音楽室に行き、戻って「先生、シンバルがありません」と言って、知ったかぶりをしたのです。
幼稚園は、私の華麗なる舞台。八面六臂の大活躍。
しかし幼い私が書いた短冊はかなえらるはずもありません。
当然のことながら、挫折や失敗の繰り返し。もううまくいくことなんてないのかな、と思うようになって、うまくいかなくていいか、と思うようになりました。三度飯が食えて、風呂に入れて布団で寝られる。たまには酒だって飲める。
酔生夢死。
凡人の生きる術としては、上々だといえましょう。
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小林 一夫 | |
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