もうあまり知っている人もいないでしょうねぇ。
1961年の12月12日、旧日本軍の元将校らが画策していたクーデター計画が発覚、関係者34人が逮捕された事件のことを。
称して三無事件。
三無とは、
無税 – 官公庁の大幅人員削減による財政収縮と公社公団の民営化
無失業 – 大規模な公共事業の実施による失業者吸収
無戦争 – ミサイルや宇宙兵器の開発による外国からの侵略の阻止
を目的とするそうです。
クーデター計画はかなり本格的なもので、
1.開会中の国会を占拠、総選挙の実施
2.閣僚を監禁し逃走者は射殺
3.報道管制の実施
4.自衛隊には中立働きかけ
5.戒厳令を敷き臨時政府の樹立
というものでした。
1960年代といえば、安保闘争や安田講堂事件 、連合赤軍事件と、主に左翼を中心とした政治の季節。
しかし右翼の側も、左翼運動の台頭に危機感を抱き、クーデターを計画をしたものと思われます。
左翼の運動は、ただ騒ぐばかりの児戯にひとしいもの。
それにくらべて、旧軍の将校であっただけに、三無事件の首謀者はクーデターのポイントを押さえています。
しかしこの計画には、決定的な欠陥があります。
それは2.26事件などと同様の欠陥。
皇居を占拠し、天皇一家を監禁する、という計画が抜けていることです。
わが国で革命やクーデターを成功させるには、錦の御旗を手に入れるのが一番手っ取り早いのです。
明治維新を見れば明らかですね。
時の天皇がそれを拒んだなら、銃で脅し、どうしても屈服しなければ暗殺して言いなりになる宮様を天皇に立てれば良いのです。
天皇はアンタッチャブルだと考えていては、クーデターなど成功するはずもありません。
三無事件には現職の自衛官も深く関与していたのではないか、との疑惑がもたれていますが、表向き自衛隊は関係ないことになっており、今も防衛省幹部はこの事件について口をつぐんでいます。
風聞ですが、自衛官によるクーデター未遂事件は数え切れないほど起きていると聞き及びます。
それらはすべて自衛隊内部でもみ消され、国民に知らされることはないとか。
怖ろしいですねぇ。
文民統制に従うべき自衛官が暴力で政治に口を出そうとするとは。
自衛隊の体質は旧日本軍時代からあまり変わっていないのでしょうか。
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